古くから存在したことわざには、人間の知恵やが教訓が数多く含まれています。食べ物や人、いきものなどの身近にあるさまざまな現象、事象を人間関係や仕事、社会の有り様に例えた言葉の表現がことわざです。よく聞くことわざも初めて聞くことわざもあります。また、同じことわざでもまったく相反する意味があることもあります。ことわざの面白いところです。

ことわざは、いわば詠み人知らずの先人の言葉の芸術作品です。 さあ、今年一年365日、毎日ひとつづつことわざを読み解きながら、愉しく鑑賞していきましょう。

 

 

 

豊かに生きる今日のことわざ アーカイブ

                                                                                                     2021年 

 

 

(1月)

 

21/1/1 

一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり いちにちのけいはあさにあり、いちにちのけいはがんたんにあり

「計画や目標は1年の最初の日である元旦に立てるべき」ということであり、早いうちにしっかり計画を立てることが大切という意味です。実は前段に「一日の計は朝にあり」があり、朝一に今日やるべきことをしっかり計画することも大切と思います。

 

  

21/1/2 

一富士二鷹三茄子 いちふじにたかさんなすび

お正月の初夢に見ると縁起がよい「一富士三鷹三茄子」。富士山は日本一の山、鷹は強さの象徴、茄子は成すを表します。私も縁起のいい初夢を見たいものです。

 

 

21/1/3 

笑う門には福が来る  わらうかどにはふくきたる

お正月はもちろんのこと、いつでも心に刻んでおきたいことわざ。いつも明るく笑っている人は、自然と幸福が訪れるという意味です。私も心掛けたいものです。

 

 

21/1/4 

搗いた餅より心持ち ついたもちよりこころもち 

流れのある言葉で子供でも覚えやすいです。意味は人にお餅をごちそうしてもらうことはありがたいですが、それ以上に心づくしがありがたいということ。モノより人の気持ちがありがたいという、日本の美しい心をあらわしています。 

 

21/1/5 

枯れ木に花の咲く かれきにはなのさく 

落ち目だったものが復活するとの意味とどんなに願っても実現しないという正反対の意味があり、おもしろいことわざです。私は前者の意味をとりたいと思います。NO183 

 

21/1/6 

急いては事をし損じる しいてはことをしそんじる 

定番のことわざ。あせって物事をやると失敗してしまうこと。特に人に関わること、お 金に関わることは、慎重にしたほうがいいかもしれません。NO328 

 

21/1/7 

家柄よりも芋茎 いえがらよりもいもがら 

家柄を誇示してもなんの値打ちもないが、芋の茎は食べることができるの意。退職後に在職中の役職を誇示してもなんの意味もないとの解釈にも繋がると思います。退職後は社会や地域で実のある役割を担いたいものです。NO41 

 

 

21/1/8 

子供叱るな来た道じゃ、老人笑うな行く道じゃ こどもしかるなきたみちじゃ、ろうじんわらうなゆくみちじゃ 

どきっとすることわざです。子供は悪戯を通じて成長してゆく。老人は衰えたり、醜くなってゆくのが常、自分もいずれ同じ道をたどるのだから、どちらにも優しく接することが肝要と解釈しました。NO250 

 

21/1/9 

会うは別れの始め あうはわかれのはじめ 

出会ったものは、いつか必ず別れの時が来る。普段はあまり考えないことですが、人生の真理の一つです。親との別れ、妻との別れ、子どもとの別れ、高齢になるほど身に染みることわざです。NO4 

 

21/1/10 

落ちれば同じ谷川のみず おちればおなじたにがわのみず 

人間の生まれには貧富貴賤、善悪美醜と違いがあり、生き方も様々ですが、死ねば灰になり土になり結局は同じ。行先は同じということでは皆平等とも言えます。NO121 

 

21/1/11 

牛は牛連れ、馬は馬連れ うしはうしづれ、うまはうまづれ 

牛は牛に集まり、馬は馬に集まる。人間も同じで似た者同士が集まるという習性を牛と馬で表してることわざ。実際、自分に相応の相手と一緒に事を行うとうまくいきやすいもの。NO87 

 

21/1/12 

器量より気前 きりょうよりきまえ 

器量も気前もいろいろな意味がありますが、器量は女性の顔立ちで、気前は人柄の良さを意味しています。女性が前提になっていますが、人柄は男性でも大事と思います。NO207 

 

21/1/13 

親はなくとも子は育つ おやはなくともこはそだつ 

親が死んでも子供はどうにか生きて行ける。世渡りは案ずるほど困難なものではないというたとえ。とは言え子供は大変な環境におかれていると思います。社会や親戚、親しい親の友人などのフォロ-は必要ですね。私の身近なところに実例があります。彼は亡くなった友人の子供の面倒を成人になった今でも見ています。NO139 

 

21/1/14 

触らぬ神に祟りなし さわらぬかみにたたりなし 

関係がなければ災いや不快感を蒙ることはないというたとえです。余談ですが退職を機に関係がなくなってこれ幸いと思っているひとが何人かいました。退職の功名ですね。NO272 

 

21/1/15 

明日の百より今日の五十 あすのひゃくよりきょうのごじゅう 

どうなるか分からない未来にたくさん貰うより、少しでもいいから今確実に貰ったほうがよいとの意味。未来はどうなるか分からないですから、確実に手に入れたい人は今を選ぶと思いますが、実際は金額によると思います。NO20 

 

21/1/16 

片手で錐はもまれぬ かたてできりはもまれぬ 

物事をなすにはひとの協力が必要だということのたとえ。最近、家を建て替えましたが、たくさんの専門業者が家づくりの役割を担いました。また、引っ越しも幼馴染の友人の手助けがありましたので無事に終わりました。このことわざを実感しています。NO164 

 

21/1/17 

気の利いた化け物は引っ込む時分 きのきいたばけものはひっこむじぶん 

「どっき」とする言葉が入っていることわざです。長居したり、その地位に適当でなくなったときは、早やめに引きさがるべきとの教訓です。特に高齢者は、社会でも地域でも家庭でも老害と言われる前に一歩引き、謙虚になることも大切と思います。NO197 

 

21/1/18 

地震、雷、火事、親父 じしんかみなりかじおやじ 

この世の恐ろしいもの4つのたとえで定番のことわざ。現代では最後の親父は威厳を失っているものの、ほかの3つ特に地震と火事には注意したいものです。私事ですが、ガスの消し忘れが多くあり、新居は自身の高齢化対策も兼ねてオール電化にしました。NO287 

 

21/1/19 

梅伐らぬ馬鹿、桜伐る馬鹿 うめきらぬばか、さくらきるばか 

樹木剪定の先人の教え。梅の花芽は新しい枝につくので古い枝は伐ってかまわない。桜の花芽は古い枝につくので、伐ってしまったら花芽はつかない。一見同じやり方が通用しそうだが、まったく正反対の結果を生むことがあり、物事を成すときに注意したいものです。NO99 

 

21/1/20 

後は野となれ山となれ あとはのとなれやまとなれ 

物事をなしたあとは、後はどうなってもかまわない、なるようになれ。といった無責任さも感じられる意味です。私の解釈は、そのように思えるまで、後悔のないよう全力を尽くせといった前向きな意味もあると考えました。NO30 

 

21/1/21 

袖振り合うのも他生の縁 そでふりあうのもたしょうのえん 

ちょっとした人との交わりも偶然ではなく深い宿縁によるものという意味である。そもそも生まれてから、いろいろな数えきれない縁の重なり合いで現在があり、その意味で人生はまことに妙味があると言えます。NO339 

 

21/1/22 

大魚は支流に泳がず たいぎょはしりゅうにおよがず 

大きな魚は小さな流れには棲めない。人の場合も大人物は、つまらないところでは働かず、相応の場所で相応の地位になり働くもの。私がすぐに思い浮かんだ人物は坂本龍馬でした。NO343 

 

21/1/23 

一事が万事 いちじがばんじ 

一つのことから他のすべてが推測できるとの意味です。短いことわざですが道理を含んでいます。現役で仕事をしていた時にいい意味でも悪い意味でも「一事が万事の人」いましたね。NO55 

 

21/1/24 

高い舟借りて安い小魚釣る たかいふねかりてやすいこざかなつる 

趣味や道楽は、損得を考えずやってしまうというたとえ。まったくそのとおりで、趣味と実益を考えて商売をやっていますが、損得を考えると割には合わず、ほとんどボランティアです。NO351 

 

21/1/25 

鬼も頼めば人喰わぬ おにもたのめばひとくわぬ 

こちらから頼むと自分が好きなことでもやらないこと。非常な鬼でも頼めばいやだとは言わないこと。という相反した二つの意味がありますが、私は後者の意味をとりたいですね。NO130 

 

21/1/26 

悪に強ければ善にもつよし あくにつよければぜんにもつよし 

大悪人はいったん改心すると、かえって非常な善人になるということ。高校の同級生で当時番長をやってた方が、非常に教育熱心な体育教師になって活躍していた実例をみています。確かにパワーのベクトルが良い方向に向けば超善人になり得えます。NO12 

 

21/1/27 

後悔先に立たず こうかいさきにたたず 

物事がすんでから、悔んだり残念がってもどうにもならないの意味。私も60代になるとたくさんの後悔があります。歯を大事にすればよかったとか、学生時代にもっと勉強ばよかったとかいろいろと。だからこそこの先は後悔がないよう生きたいと思います。NO237 

 

21/1/28 

犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ いぬはみっかかえばさんねんおんをわすれぬ 

三日しか飼わない犬でさえ主人に忠義をつくすのだから、人間はなおさら恩しらずであってはならないという戒め。子どもに教えたいことわざです。NO68 

 

21/1/29 

芸は身を助ける げいはみをたすける 

売り物になる芸を身につけていれば、生活に困ったときに助けとなること。これは私も実感することわざです。特に退職後の起業には、現役のときに身に着けたノウハウが発揮できました。NO226 

 

21/1/30 

売り言葉に買い言葉 うりことばにかいことば 

いわば喧嘩腰のなじりあいを言いますが、私も若いときは感情的になり、同僚や上司を相手によくやりましたが若気の至りでした。今やったらまさに老害と思われますね。注意したいと思います。NO100 

 

21/1/31 

他人の空似 たにんのそらに 

血はつがっていないのによく似ていること。私は若いころよく落語家の立川志の輔に似ていると言われました。今考えると光栄なことです。NO362 

  

 

(2月) 

 

21/2/1 

三人寄れば文殊の知恵 さんにんよればもんじゅのちえ 

聞きなれたことわざです。文殊は智慧を授ける菩薩のことで、三人で相談すればよい知恵が浮かぶという意味です。実際、一人で悩まず親、兄弟、友人に相談すれば解決策もでてくるものです。NO277 

 

21/2/2 

一銭を笑う者は一銭になく いっせんをわらうものはいっせんになく 

これも昨日に続き聞きなれたことわざです。意味は言うまでもないですが、たとえ少額でも大切にせよという戒めです。買い物で支払をするとき1円足りなくて千円札を出すとき1円のありがたみが分かりますよね。NO65 

 

21/2/3 

朝に紅顔あって夕べに白骨となる あさにこうがんあってゆうべにはっこつとなる 

朝に紅顔の少年が夕方には白骨、すなわち死人となるが直訳。すなわち人の生死はいつどうなるか分からないことのたとえです。年を重ねて実感することわざです。だからこそ、毎日を大切に生きたいものです。NO18 

 

21/2/4 

苛政は虎より猛し かせいはとらよりたけし 

悪政によ虐げられている人々の苦しみは、虎に食われるより大きいという意味。政治のトップにより政策は大きく変わり、そのリーダーシップでも結果は大きく変わります。コロナ禍で商売が危機に陥っている人、生活が破綻している人がいる今、まさに政治が問われています。NO161 

 

21/2/5 

捨てる神あれば拾う神あり すてるかみあればひろうかみあり 

自分に不利な人もいれば、逆に助けてくれる人もいる。世の常ですね。私は困ったときは自ら積極的に動くことで拾う神が出てくると思います。NO324 

 

21/2/6 

江戸の敵を長崎で討つ えどのかたきをながさきでうつ 

思いもよらない場所で以前受けた恨みをはらすが一般的な意味である。私は、仇討ちのためにはどこまでも出向いて本懐を果たすと解釈してました。NO107 

 

21/2/7 

石橋を叩いて渡る いしばしをたたいてわたる 

用心の上に用心を重ねて、細心の注意を払って行動すること。経験を重ねた高齢者にこの傾向が強いと思います。わたしもその一人です。NO48 

 

21/2/8 

子を持てば七十五度泣く こをもてばしちじゅうごたびなく 

子供を育てるにはたくさんの苦労や心配ごとがあるという意味。私は4人の子どもを育てましたが、苦労が多い分幸せもたくさんいただきました。まさに子宝とはこのことです。NO260 

 

21/2/9 

男は度胸、女は愛嬌 おとこはどきょうおんなはあいきょう 

フ-テンの寅さんの言葉に出てきそうなことわざです。男らしさと女らしさの特質を詠ったようですが、なるほどと思います。NO123 

 

21/2/10 

当て事と越中褌は向こうからはずれる あてごととふんどしはむこうからはずれる 

勝手に都合よく相手を当てにしていても、先方の都合で簡単に外れることが多いという意味。現役管理職時代に緊急事態が起こり時間外の対応を部下に期待してましたが、お先しますと帰られたことがありました。今の時代は当たり前のことでしょうか。NO28 

 

21/2/11 

因果は巡る車の輪 いんがはめぐるくるまのわ 

悪いことは、くるくる回る車輪のようにすぐやってくることのたとえ。このを輪を断ち切る智慧が必要です。私は必ず可能と信じています。NO79 

 

21/2/12 

鹿逐う猟師山を見ず しかおうりょうしやまをみず 

一つのことに熱中になったり、目先の利益に夢中になったりして、危険な目に遭うことのたとえ。目先のいい話にのり多額の金品をとられるような詐欺にあわないよう注意したいものです。NO278 

 

21/2/13 

医者の不養生 いしゃのふようじょう 

健康を守る医者が不健康な生活をするとの意味。生活習慣病の指導をしている医者が明らかに肥満であったら説得力ありませんね。かつて実際に経験があります。NO49 

 

21/2/14 

網の目に風たまらず あみのめにかぜたまらず 

なんの効果もない無駄なことのたとえ。「網の目に風たまる」という相反することわざがありますが、こちらはわずかに可能性があるという意味です。果樹園などに設置する「防風ネット」というものがありますが、これはまさに風を抑えるもので、ことわざどおりではないですね。NO35 

 

21/2/15 

一文惜しみの百知らず いちもんおしみのひゃくしらず 

当面するわずかな金を惜しんで、のちのちに大きな損をすること。例えば家の建築の際に材料の品質を落としたために、後々補修に多大な損害を蒙るような場合があたります。私は今回の家の建て替えで注意したことでもあります。NO59 

 

21/2/16 

正直の儲けは身に付く しょうじきのもうけはみにつく 

正直に稼いだ金は無駄遣いされないこと。商売をしているとたった1000円稼ぐのにも結構神経と労力を使います。このことわざ実感です。NO305 

 

21/2/17 

君子危うきに近寄らず くんしあやうきにちかよらず 

立派な人は言動を慎み、むやみに危険なことはしないものとの意味です。「危ない人には近寄るな」という単純な意味に解釈していましたがまったくの誤りでした。私は、立派な人ではないですが、老害と言われないよう妻に、子供に、友人に、近所の方に発言する際は言葉に気を付けたいと思います。NO222 

 

21/2/18 

負うた子に教えられて浅瀬を渡る おうたこにおしえられてあさせをわたる 

川を渡る際に背中の子が、あっちが浅い、こっちが深いなど教えてくれる。つまり自分より未熟な年下のものから教えられることのたとえです。現役のとき、よく部下からパソコンの使い方やノウハウを教えてもらいました。NO113 

 

21/2/19 

蛙の子は蛙 かえるのこはかえる 

凡人の子は凡人。親子はやはり似たものという意味。正直、息子をみて性格も含めてよく似ていると今更ながら思っています。NO150 

 

 

 

21/2/20 

相手のない喧嘩はできぬ あいてのないけんかはできぬ 

喧嘩は一人ではできず必ず相手がいます。だから喧嘩をしかけられても、相手にしてはいないという戒めのことわざです。例えば、妻や子どもと喧嘩になりそうなときは、一呼吸おいて十数えてこちらの気持ちを落ち着けましょう。NO3 

 

21/2/21 

鯨も魚、白魚も魚 くじらもさかな、しらうおもさかな 

私は初めて耳にすることわざです。鯨も魚と見立てて、形に大小があっても同じ仲間なので軽んじてはならないという戒め。人もいろいろな人がいますが見かけで軽んじては絶対いけません。まさに多様性の時代ですから。NO215 

 

21/2/22 

いやいや三杯 いやいやさんばい 

口先だけで遠慮することです。実際はほんとうに飲みたくないのか、実は飲みたいのか判断に迷うところです。日本人独特の面白いことわざですね。NO74 

 

21/2/23 

一升徳利こけても三分 いっしょうどくりこけてもさんぶ 

元手が大きければ少しぐらい損を出しても残るものがあるという意味。また、豊かな家は、多少落ち目になっても余裕があるというたとえ。「実感しています。」と言ってみたいものです。NO62 

 

21/2/24 

雉も鳴かずば打たれまい きじもなかずばうたれまい 

いらざる言葉を口にして災いを招くことのたとえ。口は災いのもとということわざも同類でしょうか。ある政治家に聞かせたいことわざですね。NO193 

 

21/2/25 

以心伝心 いしんでんしん 

誰でも知っている以心伝心ということわざ。言うまでもなく言葉を交わさずとも心が通じ合うことです。夫婦は是非こうありたいものです。NO50 

 

21/2/26 

京の着倒れ大阪の食い倒れ きょうのきだおれおおさかのくいだおれ 

京都の人は着るものにお金をかけ、大阪の人は食べ物にお金をかけたという意味。その土地の人の気質がよく出ています。見栄の張り方にも地域性が出て面白いですね。NO202 

 

21/2/27 

兎を見て犬を放つ うさぎをみていぬをはなつ 

状況を見極めてから対策を講じても遅くはないという意味。事をなすにあたり、いきなりではなく、途中までの経緯をみてから慎重に対処することも大切です。NO84 

 

21/2/28 

鹿待つところの狸 しかまつところのたぬき 

初めて聞くことわざです。獲物を期待していたのにつまらないものが手に入ること。若いときに川釣りでヤマメ狙いが小物のハヤしか釣れないという経験がありますがこのことでしょうか。NO280 

 

 

 

(3月) 

 

21/3/1 

鶯鳴かせたこともある うぐいすなかせたこともある 

面白いことわざです。このことわざの前に「梅干し婆としなびて居れど」と前置きがあるそうです。老女が若かりしときには異性によくもてたと自慢げに懐かしむという意味だそうです。老い先短い人が昔はよかったと言っている姿に寂しさも感じます。他人事ではありませんが。NO82 

 

21/3/2 

学者の取った天下なし がくしゃのとったてんかなし 

学者は現実や実生活に疎く、実践には役にたたないというたとえ。確かに学者は研究者としての専門性は高いと思いますが、政治家や経営者になった話はほとんど聞きません。現実生活の実践者にはなかなかなれないですね。その意味で主婦のほうがよっぽど長けているかもしれません。NO156 

 

21/3/3 

親の意見と冷酒は後で効く おやのいけんとひやざけはあとできく 

親の意見は、その場ではなかなか分からないが、時間がたってからありがたさが分かってくるもの。冷酒は口あたりがいいから、どんどん飲めるが、あとで酔いが効いてくるもの。酒好きの私、心に染みることわざです。NO136 

 

21/3/4 

新しい酒は新しい革袋へ あたらしいさけはあたらしいかわぶくろへ 

新しい考えを表現するためには新しい方法が必要だということ。一度使った革袋は伸びきって破れやすいことが原意。退職者は現職時代の考えをすてて、新たな環境であることをしっかり認識して相応の姿勢をもつ必要があります。これ実感です。NO24 

 

21/3/5 

隔靴搔痒 かっかそうよう 

難しい漢字と読みです。痒いところを靴の上から掻いてもかゆみがとれないということから、思うように事が進まずもどかしいたとえのことわざです。私は確定申告の書類づくりなどこんな感じになります。NO166 

 

21/3/6 

権兵衛が種蒔きゃ烏がほじくる ごんべいがたねまきゃからすがほじくる 

権兵衛とは農夫の代名詞。せっかく苦労して種を蒔いたのに、台無しになるとのたとえ。当てはまる生活の出来事一つ。家の前から広い道路への出入口までようやく除雪終了。2時間後に出て見ると除雪車の横行で雪の壁が出来ていたこと。NO261 

 

21/3/7 

鯛も一人は旨からず たいもひとりはうまからず 

ごちそうも一人で食べては旨くないというたとえ。お酒もそうですね。私は意識して1ケ月1回以上は複数人での飲み会をしています。もちろん4人以下の少数でコロナ対策を講じての上です。精神衛生上も大変いいことだと思っています。NO350 

 

21/3/8 

男やもめに蛆がわき、女やもめに花が咲く おとこやもめにうじがわき、おんなやもめにはながさく 

前段はよく聞きますが、後段初めて聞きます。独身男の所帯は汚いが、独身女性は身ぎれいでもてはやされるという意味です。なんとなく分かるような気がします。NO124 

 

21/3/9 

歌人は居ながらにして名所を知る かじんはいながらにしてめいしょをしる 

歌人は古歌の研究を通じて、実際には行っていないのに名所をよく知っているという意味。現代風に言うなら、読書人は実際は事を行っていないのにないのに、そのことをよく知っているということでしょうか。まさに読書は疑似体験ですね。NO160 

 

21/3/10 

一病息災 いちびょうそくさい 

ちょっとした持病持ちであれば、無病の人より健康に留意するので長生きするということ。自分に照らしなるほどと思いました。今年、前期高齢者になりますが、健康を前提に長生きしたいものです。NO58 

 

21/3/11 

傍目八目 おかめはちもく 

物事の是非や損得は、当人より第三者の方が正しく判断できるというたとえ。まったくそのとおりと思います。時と場合によりますが親や友人の助言が的を得ていることがあり尊重したいものです。NO118 

 

21/3/12 

言うは易く行うは難し いうはやすくおこなうはかたし 

この意味は、口だけで言うのは簡単だが、実際に行うのは難しいということです。誰もが知っていることわざです。例えば、退職者がそば打ちとか喫茶店とか起業を夢見て人に話すのは簡単ですが、実際はお金の問題とか家族の反対とかで難しいことですよね。NO41 

 

21/3/13 

薬より養生 くすりよりようじょう 

病気になってから薬を飲むより、日頃の養生や節制が大切だという戒め。私は健康を考えほぼ毎日ランニングをしておりますが、自ら「薬草」ならぬ「薬走」と言っています。毎日の散歩でもいいと思いますが中高年の方の健康維持に特にお勧めです。NO216 

 

21/3/14 

明日は我が身 あすはわがみ 

他人にふりかかった災難を他人ごとと思ってはいけません。次は自分にふりかかると思えという戒めです。地震、大水、地滑りなど自然災害が全国各地で起こっています。他人ごと思わず自分のこととして備えが必要です。NO21 

 

21/3/15 

言わぬが花 いわぬがはな 

言葉に表さないほうが奥ゆかしくてよいということ。確かに場合によっては明言しないほうが差し障りがなくてよいこともあります。口は禍の門ということわざもありますからね。NO78 

 

21/3/16 

悪貨は良貨を駆逐する あっかはりょうかをくちくする 

グレシャムの法則で実質価値の異なる貨幣が流通すると価値が低いものが流通するが原意で、良いものが追い払われて悪いものがのさばるたとえ。会話の中でタイミングよく使いたい経済原理から生じたことわざです。NO25 

 

21/3/17 

下駄を預ける あげたをあずける 

自ら関わる事柄の処理を全面的に相手に任せること。なかなか難しいことですね。私が現役だった頃は、なかなか部下に全面的に仕事を任せることはできませんでした。信頼関係がなければできないことです。NO230 

 

21/3/18 

冗談にも程がある じょうだんにもほどがある 

冗談を言うにも限度があるということ。私も言いすぎて相手を怒らせたことがあります。特に今は各種ハラスメントが問題になる時代。お互い注意したいものです。NO306 

 

21/3/19 

姉女房は身代の薬 あねにょうぼうはしんだいのくすり 

夫より年上の妻は夫の扱いも上手で、うまく家庭を治めることができるということ。いわゆる姉さん女房のことですが、友人に何組か知っていますが、家庭は平和そのものです。的を得たことわざと思います。NO306 

 

21/3/20 

一に褒められ二に憎まれ三に惚れられ四に風邪を引く いちにほめられにににくまれさんにほれられしにかぜをひく 

ながいことわざです。くしゃみの数によって自分に何が起こっているか占えるとのことです。面白いですね。NO57 

 

21/3/21 

首振り三年ころ八年 くびふりさんねんころはちねん 

何事でもその道を極めるには並大抵ではない努力と鍛錬が必要であるというたとえ。私は商売を始めて5年目となりますが、パンク修理一つとってもいろいろなパターンがあり、まだまだ修練が必要で、このことわざが身に染みる思いです。NO219 

 

21/3/22 

郷に入っては郷に従う ごうにはいってはごうにしたがう 

意味も含めてよく知られたことわざですね。知らない土地に行ったら、その土地の習慣や掟にしたがうのがよいとの意味。田舎暮らしがブームになってますが、郷に従わない人がいることも事実です。NO240 

 

21/3/23 

親子の仲でも金銭は他人 おやこのなかでもきんせんはたにん 

言うまでもなく、親子の間柄でも金銭の問題はけじめをつけなくてはならないという戒めです。お金の問題で親子が絶縁するなど絶対避けたいものです。子どもへのお金の融通はあげるつもりで。NO135 

 

21/3/24 

歳月人を待たず さいげつひとをまたず 

時は人の都合にかまうことなくどんどん過ぎていくもの。だから時間を大切にという 

意味ですね。歳を重ね高齢になるほど時の流れは早く感じるものです。その日その日をぼーと生きるのではなく、目標をもって生きたいものです。自戒ですが。NO263 

 

21/3/25 

芝居は無学の早学問 しばいはむがくのはやがくもん 

学問のない人でも芝居からはいろいろなことが学べるという意味。太平の江戸時代、多種多様な歌舞伎など芝居が上演され、歴史や倫理を楽しみながら学べたそうです。情操教育にはいいかもしれませんね。現代でも通じることわざと思います。NO294 

 

21/3/26 

姑一人は鬼千匹に向かう こじゅうとひとりはおにせんびきにむかう 

一面恐ろしい表現のことわざです。嫁にとって、夫の姉妹は千匹の鬼に匹敵するほど恐ろしく厄介なもだということです。かなり誇張されていますが、小姑の厄介さ加減を述べられていると思います。NO246 

 

21/3/27 

命長ければ恥多し いのちながければはじおおし 

長生きしていれば、それにしたがって恥をかくことも多くなるということ。高齢になると体力もなくなり、忘れることも多くなり、恥をかく頻度も増してきたような気がするのは私だけでしょうか。NO71 

 

21/3/28 

蟻の熊野参り ありのくまのまいり 

一蟻が行列をつくってうごくこと。転じて人が途切れなく行きかうこと。コロナ禍では恐ろしい状態ですね。NO38 

 

21/3/29 

聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥 きくはいっときのはじ、きかぬはいっしょうのはじ 

とにかく知らないことは恥ずかしがらどしどしと聞きなさいとするこのことわざは、昔の日本人の知識に関する考え方がよく現れていると思います。特に学生に贈りたいことわざですね。NO192 

 

21/3/30 

牛の一散 うしのいっさん 

思慮の浅い者が、後のことを考えずに、むやみにことをおこすことのたとえ。牛は普段は動作がゆっくりですが、何かの拍子に走り出すことがあるが原意。短いことわざですが、中身は深いですね。NO86 

 

21/3/31 

教えるは学ぶの半ば おしえるはまなぶのなかば 

人にものを教えることは、半分は自分の勉強にもなるという意味。現代でも十分当てはまることわざです。実際人に教える内容以上に予習と復習が必要です。その意味で自分のためにもなります。NO119 

 

 

(4月)

 

21/4/1 

蛙は口ゆえに呑まれる かえるはくちゆえにのまれる 

蛙が鳴いたために蛇に見つかり呑まれてしまうことから、言うべきではないことを口にしたため災いを招くことのたとえです。口は災いのもとということわざもありますが、私たちも特に公の場での発言は慎重にすべきですね。NO151 

 

21/4/2 

渋柿が熟柿に成り上がる しぶがきがじゅくがきになりあがる 

どんなものでも時につれて変化すること。二つ目の意味が未熟な者でも向上するものだということ。前期高齢者に近づきつつある私。後者の意味にとりたいと思います。NO296 

 

21/4/3 

知らしむべからず、由らしむべし しらしむべからず、よらしむべし 

政治に関係するむかしいことわざ。民衆を政策に従わせることは難しくないが、その内容を理解させるのは困難だという意味。ぱっと浮かんだのが今の中国です。強権は強制力そのものですから従いますが、自由がない中で民衆が心から納得し理解しているとは到底思えないですね。NO310 

 

21/4/4 

男伊達より小鍋立て おとこだてよりこなべたて 

初めて聞きますが、なかなかリズムのある意味のあることわざです。男は世間で見栄を張り面目にこだわるより、自分の家の生活を大事にしたほうがよいというたとえです。企業戦士という言葉は死語となり、いまや働きかた改革と家庭を大事にする時代です。これに関しては、私は結婚以来先駆けて実践してきました。NO122 

 

21/4/5 

臭いものには蓋 くさいものにはふた 

前日のことわざとは一転してよく聞くことわざです。意味は言うまでもなく、不都合なことは外部に知られないようにして表面をとりつくろうことです。経験則から言うと、このような場合、逆に、透明性を高め公にしたほうが傷口は小さくなると思います。今の政治を見ているとよく分かります。NO212 

 

21/4/6 

悪事千里を走る あくじせんりをはしる 

悪しき評判や行いはすぐ世間に広まるという意味。現代では、政治家や芸能人の悪事は、週刊誌、テレビで取り上げることもあり、また、SNSで伝わることで、あっという間に世間の知るところとなりますね。反対に、善行はなかなか世間に知らことがないような気がするのは私だけでしょうか。NO10 

 

21/4/7 

老いた馬は道を忘れず おいたうまはみちをわすれず 

老いた馬とは老人のたとえです。年をとりいろいろな経験を積んだものは、物事の判断を間違えることがないというたとえです。自分に当てはめると、「この判断をするとこのような結果になる」という予知能力がみたいなものが磨かれているような気がします。その意味で経験は大切であり財産と思います。NO10 

 

21/4/8 

商売は道によって賢し しょうばいはみちによってかしこし 

どの商売でもその道を専門にしている者が他のだれよりも精通しているということ。私の商売の師匠は全国に弟子をもつまさに自転車整備のプロフェッショナル。プロに教えるスーパープロです。このことわざ実感です。NO308 

 

21/4/9 

大海を手で塞ぐ たいかいをてでふさぐ 

なんとも豪快なことわざですが意味は単純で、できるはずのないことのたとえです。海にしろ大水にしろ、人間の手でせきとめることは到底できないことですから。自然に対して人間は無力ということも示唆していると思います。NO342 

 

21/4/10 

瓜に爪あり爪に爪なし うりにつめありつめにつめなし 

これも面白いことわざ。漢字の字の形が似ているが、少しの違いで別の字になってしまうという例を面白く、リズミカルに表しています。NO101 

 

21/4/11 

石が流れて木の葉が沈む いしがながれてこのはがしずむ 

土石流が起こらない限り、石は沈んで、木の葉は流れていくのが道理なことから、ものおごとの道理が逆になっていることのたとえ。見るがままのたとえですね。NO46 

 

21/4/12 

五里霧中 ごりむちゅう 

深い霧の中で方向を失うことが原意。状況が分からず判断を下せないときに使うことわざ。自分の置かれた状況を常に押さえておくことが的確な判断につながります。人生も同じです。NO256 

 

21/4/13 

すまじきものは宮仕え すまじきものはみやづかえ 

人に仕えるような仕事には苦労が絶えないので、するものではないという意味です。会社のサラリーマンも公務員も人に仕える仕事で大変ですが、定年退職がこの苦労から開放してくれます。自営業万歳です。NO326 

 

21/4/14 

獅子は兎を撃つに全力を用う ししはうさぎをうつにぜんりょくをもちう 

小さなものにも油断することなく全身全力で対処することのたとえ。格闘技選手の教訓のように思えるのは私だけでしょうか。NO284 

 

21/4/13 

相撲に勝って勝負に負ける すもうにかってしょうぶにまける 

相撲内容は優位なのに勝敗では負てしまうこと。相撲の放送でよく聞きます。NO327 

 

21/4/14 

青は藍より出でて藍より青し あいはあいよりいでてあいよりあおし 

リズムがあることわざです。布地を染める染料の藍は、染めるとさらに青色が濃くなることから、弟子が師より優れていることのたとえ。学問を続けることで、本来の知力を超える人物になるという意味もあるようです。NO06 

 

21/4/15 

頭が動けば尾も動く あたまがうごけばおもうごく 

上に立つ者が先頭に立って行動すれば、それに従って下の者はおのずと行動するというたとえ。まさに組織を動かす行動原理と思います。現役時代にいろいろな上司に付きましたが、現場主義を唱えて率先して最前線の現場に行く上司は尊敬したものです。NO22 

 

21/4/16 

転べば糞の上 ころべばくそのうえ 

不運な目にあった上にまた不幸が重なるたとえ。「泣きっ面に蜂」ということわざも思い出しました。これだけ生きていると人生に不幸が重なることが多々あります。気持ちとしてはこのような時にも備える覚悟も必要と思います。NO257 

 

21/4/17 

塩売れれば手がからくなる しおうれればてがからくなる 

携わった職業による特徴や態度が身に付き、生まれつきのような習慣になるたとえ。定年退職をしたら携わった職業の態度はすっきり捨てたいものですね。NO278 

 

21/4/18 

神様に祝詞 かみさまにのりと 

相手が分かっているであろうことでも改めて頼むのがよいというたとえ。「祝詞」とは神に奏上する言葉です。願う側の人からすれば、心を込めて改めて念入りにしたほうが気持ちも安泰です。NO178 

 

21/4/19 

朝題目に昼念仏 あさだいもくにひるねんぶつ 

きちんと定まった考えがないことのたとえ。朝に「南無妙法蓮華経」と唱え、昼に「南無阿弥陀仏」と唱える。簡単に信仰の対象を変えることが原意。クリスマスを祝い、新年は神社に行き、お彼岸にはお寺に行く日本人はまさにこれにあたるかもしれません。NO15 

 

21/4/20 

信心過ぎて極楽を通り越す しんじんすぎてごくらくをとおりこす 

信心に熱心なあまり、深みにはまりこんで逆に不幸になること。何事も度を超すといいことどころか災いを招くのたとえです。たとえば。高額な趣味にはまって、家庭を壊すなど本末転倒ですね。特に時間と金がある高齢者は注意しましょう。自戒でもあります。NO316 

 

21/4/21 

旅は憂いもの辛いもの たびはういものつらいもの 

旅にはさまざまな心配や苦労がついてまわって大変だということ。現在では旅行は移動も含めてすべて楽しいものですが、江戸時代などは庶民はすべて徒歩で旅していました。携行品や宿、治安などいろいろな苦労があったことでしょう。これを人生に例えるなら現在でも通じると思います。NO365 

 

21/4/22 

親孝行と火の用心は灰にならぬ前 おやこうこうとひのようじんははいにならぬまえ 

親孝行は親が生きているうちにしなければ意味がないし、火の用心も火を出してからでは無駄だということ。「孝行したい時分に親はなし」という川柳がありますが、同じ意味ですがこちらのほうがイメージしやすいですね。今からでも間に合います。親孝行しましょう。NO134 

 

21/4/23 

気は心 きはこころ 

文字数ではこのシリーズで最短のことわざです。わずかな物でも自分の誠意を示したいということです。それが相手に伝わってほしいという願いも含んでいると思います。この気持ち常に持ちたいものです。NO198 

 

21/4/24 

売物には花を飾れ うりものにははなをかざれ 

売物に体裁を整えて見映えをよくすることが大事だということ。買う側からすれば値段が同じであれば、見た目が良い方を選ぶのは当然です。就職の際の面接時の服装も同じですね。能力が同じであれば、場にふさわしい恰好の方を選ぶと思います。時には見た目も大事と思います。私も含め高齢者も同じですよ。NO102 

 

21/4/25 

鼬ごっこ いたちごっこ 

なかなか読めない漢字のことわざですが、いたちごっこはよく使うことわざですね。言うまでもなく堂々巡りをすることのたとえです。特に高齢者が会話をするときは堂々巡りにならないよう注意しましょう。NO54 

 

21/4/26 

選んで滓を掴む えらんでかすをつかむ 

念を入れて選択しすぎた結果、かえってつまらないものを取ってしまうこと。日常生活でもよくあります。買い物で野菜をあっちこっちみながら選んで、家に帰って見たら痛んでたとか。慎重もほどほどにしましょう。NO54 

 

21/4/27 

狸から上前 たぬきからうわまえ

同じ意味のことわざに「盗人の上前をとる」があります。労せず上前をとることから、極めて悪知恵にたけていることのたとえです。役所や政治家にもこのタイプの人がいるかもしれませんね。NO364 

 

21/4/28 

大黒柱に蟻がせせる だいこくばしらにありがせせる 

「せせる」とはつつくという意味で、まったくどうじない様を表したことわざです。大黒柱は家を支える大事な構造材で、その家の主人を象徴するものでもあります。一家の中心として大黒柱のように何事にも動じないしっかりとした人になりたいものです。NO344 

 

21/4/29 

飼い犬に手を噛まれる かいいぬにてをかまれれる 

ドラマでよく聞くことわざです。言うまでもなく日頃から面倒をみてやっていた人や部下に思いがけず裏切られ、害を受けるという意味ですね。戦国時代などはまさに下剋上の世界で珍しいことではないですね。NO148 

 

21/4/30 

尾を振る犬は叩かれず おをふるいぬはたたかれず 

親愛の意を表す者は、攻撃されたりいじめられたりしないという意味。犬が尾を振るのは愛らしく従順な印で思わず頭をなでたくなります。人間関係でも態度で好意を示すことがいい関係を維持する秘訣と思います。NO140 

 

 

(5月)

21/5/1 

器用貧乏 きようびんぼう 

手先が器用な人は他人に利用され重宝もされるが、お金に恵まれたり大成しないの意味。「貧乏暇なし」ということわざもありますが、どちらも逆説的なことわざですね。職人的な仕事を多くこなしても、儲けるためには、付加価値の付け方や販売方法を工夫するなどする必要があると思います。NO204 

 

21/5/2 

主と病には勝てぬ しゆうとやまいにはかてぬ 

「主」は「しゆう」と読みます。仕える主人の無理難題と病気の苦しみにあらがうことはできないという意味。封建時代の江戸時代にできたことわざ。あまりぴんとこないことわざですが、主人を指導者や先輩に置き換えると大学の体育会系の世界では今でもあるかもしれません。私はあってはならないと思いますが。NO300 

 

21/5/3 

牛に経文 うしにきょうもん 

価値の分からぬものに価値あるものを示したり与えたりしても無駄なこと。このことわざを聞いて「豚に真珠」を思い出しました。牛バージョンがあったのですね。そう言えば「馬の耳に念仏」もありました。おもしろいですね。NO85 

 

21/5/4 

士族の商法 しぞくのしょうほう 

誰もが聞いたことがあると思います。慣れない商売に手を出し失敗することです。私が商売を始めるときにある方から必ず失敗するとの忠告を受けましたが、そもそも損失がでないビジネスモデルのため「士族の商法」とはなりませんでした。特に定年退職後の起業は「士族の商法」にならないよう注意しましょう。NO288 

 

21/5/5 

螻蛄の水渡り けらのみずわたり 

最初に目にしたときに螻蛄けらという漢字が読めませんでした。「けら」と読みコオロギに似た昆虫で水の上では最足をさかんに動かすものの途中で止めてしまうことから、最初は努力しても途中であきらめてしまうという意味のようです。何事も「螻蛄の水渡り」にならないようしたいものです。NO231 

 

21/5/6 

得手に帆 えてにほ 

好機の到来を逃がさず活用すること。得意なことをやるときにさらに追い風を受けるというチャンス到来の機会は、逃さずその風に乗りたいものです。具体的には言いにくいですが、長い人生の中にも何度かあるものです。それを意識できるかが鍵ですが。NO106 

 

21/5/7 

海千山千 うみせんやません 

世間で長い間苦労したことによって、悪賢くしたたかになっていること。長い人生のいろいろな試練を経験したものは、ある意味老獪さを身につくのはむしろ当然と言えば当然。とは言え相手をだましたり貶めたりしてはいけないですね。NO97 

 

21/5/8 

愛縁奇縁 あいえんきえん 

人と人との付き合いや結びつきには、お互いの気心が合うかどうかが問題。それは皆、世の中の不思議議な巡り合わせによるものということ。男女、夫婦、友達などの仲はほんとうに奇遇な結びつきの結果と思います。いろいろな人間関係、大切にしなくては。NO1 

 

21/5/9 

借りる八号🍆済す一升 かりるはちごうなすいっしょう 

物を借りたらお礼を添えて返すことが借り手の心得であるということ。「済す」は返すという意味ですがあまりつかいません。借りるということは貸し手の善意が前提であり、その善意にお礼をするのは当然です。お金でも物でも借りた時はこのことわざを思い出したいものです。NO182 

 

21/5/10 

子の心親知らず このこころおやしらず 

よく知っているはずの親が、子どもの考えや心の成長を分かっていないということ。特に男親が思春期の娘の心の内を理解できず衝突する場面はドラマだけではないと思います。この時期は子どもを信じてそっと見守るのが経験上よいと考えます。NO253 

 

21/5/11 

心頭滅却すれば火もまた涼し しんとうめっきゃくすればひもまたすずし 

よく知られたことわざ。心の中の雑念を払えば火も熱くないが原意。気持ちの持ちようで、いかなる苦難でもしのぐことができるということですが、この域に達するには修行僧でもない限り現実的にはなかなか難しいかもしれません。NO317 

 

21/5/12 

雀百まで踊忘れず すずめひゃくまでおどりわすれず 

若い時の性癖はなおりにくいことのたとえ。特に道楽の類がなおらないことに多く用いるようです。道楽を趣味と置き換えるなら、私の場合は、読書、マラソン、株式、競馬は何十年と続いています。最近これにオートバイも加わりました。いずれも気晴らしやストレス解消には最高ですが、年寄りの火遊びと言われないように注意したいと思います。NO323 

 

21/5/13 

聞いて極楽見て地獄 きいてごくらくみてじごく 

他人の話で聞いたことと、実際に自分の目で確かめ体験したことには、大変な違いがあるというたとえ。昔、企画業務という響きのよさで異動希望を出し、実際働いてみたら膨大な庶務業務で地獄を見たという人がいましたが、「聞くと見るのじゃ大違い」のことはよくあることだと思います。NO190 

 

21/5/14 

悲しい時は身一つ かなしいときはみひとつ 

苦境に陥ったとき頼りになるのは自分だけだということ。私は、相談相手がいることもあり必ずしもそうは思いませんが、親友や兄弟に相談しても最後の決断は自分でせざるを得ませんから、その意味ではこのことわざにも一理あると思います。NO170 

 

21/5/15 

思い立ったら吉日 おもいたったきちじつ 

物事は思い立ったらすぐに取りかかるのがよいというたとえ。吉日を待って取りかかるのではなく、取りかかる日はいつも吉日という非常に前向きで行動的なことわざです。「善は急げ」とともに自称行動派である私の好きなことわざです。NO132 

 

21/5/16 

孔子の倒れ くじのたおれ 

「くじ」は、孔子のことで中国の聖人。つまりどんなりっぱなひとでも時には失敗もあるというたとえ。同じ意味のことわざはほかにもありますね。有名な「弘法も筆の誤り」「猿も木から落ちる」「河童の川流れ」ほかにもあるかもしれませんね。NO214 

 

21/5/17 

窮すれば通ず きゅうすればつうず 

これ以上は駄目だという行き詰まりまで行くと、案外うまく切り抜けることができるということ。これは仕事でも実際にあると思います。まさにこれ以上だめだという限界まで努力をすることがポイント。自力か他力か、ふしぎに解決策や打開策が出てくるものです。NO200 

 

21/5/18 

朝酒は門田を売っても飲め あさざけはかどたをうってものめ 

門田は門前のもっとも貴重な田んぼ。これを売ってでも朝酒は価値があるという意味。朝酒を勧めていますが、飲んべいの私には理解できることわざです。実際、朝酒ができるのはお正月ぐらいですが。NO14 

 

21/5/19 

健全なる精神は健全なる身体に宿る けんぜんなるせいしんはけんぜんなるしんたいにやどる 

言うまでもなく健やかな肉体の持ち主は、健やかな精神をもつということです。一見若者向けのことわざのように思われますが、私はむしろ高齢者こそがこのことわざをかみしめるべきと思います。老害をまき散らさないようにするためにも。NO234 

 

21/5/20 

底もあれば蓋もある そこもあればふたもある 

いろいろなこみいった事情があり、物事が簡単にいかないという意味。それぞれの家庭にはたいがい他人には言えない複雑な事情を持ち合わせていることが一つや二つあるものです。会話の中で立ち入ってほしくない時に使えそうなことわざですね。NO338 

 

21/5/21 

雁が八百、矢は三本 がんははっぴゃく、やはさんぼん 

欲しいものはたくさんあるのに、手段が少ないこと。意味が分かってなるほどと思いました。例えば清流で水遊びをしていたときに、うなぎがうじゃうじゃいても手段は手づかみしかない状態。こんな時に使うのでしょうか。このことわざ。NO188 

 

21/5/22 

一寸先は闇 いっすんさきはやみ 

未来のことはたとえ明日のことでも分からないということ。特に高齢になればなるほど実感することわざです。だからこそ今を大切に生きたいものです。NO64 

 

21/5/23 

薪を抱きて火を救う たきぎをいだきてひをすくう 

損害を除こうとして行ったことが、かえって害を大きくし逆効果となること。燃えさかっている火を防ごうと抱きかかえていた薪に火がつき、かえって火が大きくなったというのが原意。まさに火に油を注ぐようなものです。高齢者は調理などで火を使うときに注意したいものです。NO64 

 

21/5/24 

鬼のいぬ間に洗濯 おにのいぬまにせんたく 

上に立つ者や恐ろしい人がいない時に気兼ねなくくつろぐというたとえ。奥様が用事で家に不在のときに、たとえ親しい友人に対しても、このことわざを言ってはいけません。(笑)NO128 

 

21/5/25 

十分はこぼれる じゅうぶんはこぼれる 

あまり過大な欲はかかずに、物事は少し足りないくらいがほどよいということ。単純ないいようで道理を含んでいるまさに先人の知恵のようでもあります。食事も趣味も運動も投資もほどほどにしましょう。NO302 

 

21/5/26 

酒は百薬の長 さけはひゃくやくのちょう 

適量をたしなむ酒は、どんなにいすぐれた薬よりも健康長寿に役に立つということ。私は毎日実践していますが、適量とは言えないですね。適度が大切で、酒は血行をよくし、くつろいだ気持ちにさせてくれて、生理的にも精神的にもよいものです。NO268 

 

21/5/27 

伊達の薄着 だてのうすぎ 

おしゃれのためにやせ我慢して薄着をすること。高齢になったらおしゃれを優先してはいけません。風邪などなどひかぬようまず健康を優先した服装を心掛けましょう。NO360 

 

21/5/28 

鷹は飢えても穂を摘まず たかはうえてもほをつまず 

お高潔な人はどんなに困窮しても不正な金品を受けないというたとえ。特に政治家はこうありたいものです。眼光鋭く、空高く舞う孤高の気高い姿の印象に、このようなことわざができたと思います。NO352 

 

21/5/29 

雀網に鶴がかかる すずめあみにつるがかかる 

思いがけない幸運が舞い込むことのたとえ。鶴を幸運の象徴としておりなんとなく意味は分かります。我が家で言うなら幸運とは孫ができることでしょうか。NO322 

 

21/5/30 

立つ鳥跡を濁さず たつとりあとをにごさず 

自分が立ち去った跡が見苦しくないよう、また、問題を残さぬようきちんとしておくこと。最近、退職した友人の慰労会でこのことわざを使いました。彼は引継ぎをきちんとし、退職後の理事会までフォローしてきたとのことです。特に定年退職時はこうありたいものですね。NO358 

 

21/5/31 

膿んだものは潰せ うんだものはつぶせ 

病根や災いは元から断ち切れという教訓。私は定年退職直前の59才のときに長年患っていた痔を手術し根治しました。退職後の健全な体を保持するためで、まさにこのことわざが教訓になりました。勇気や決断が必要なときもありますが、何でも問題が生じたときは元から完全に絶つこと大切です。NO104  

 

 

(6月)

21/6/1 

商人と屏風は曲がらねば立たぬ あきんどとびょうぶはまがらねばたたぬ 

商人は、腰を低めて客に対応する必要があるということ。屏風は折り曲げて立てて仕切りなどに使いますが、商人も腰を低くして接客することで商売が成り立つことを、曲げて使う屏風に例えています。商売人の原点ですね。私も改めて見習いたいと思います。NO9 

 

21/6/2 

海のことは漁師に聞け うみのことはりょうしにきけ 

何事もその道の専門とする者に聞き、教えを受けるのがよいというたとえ。私は自転車整備の道に入る際に、大阪郊外に店を構えるプロに教えを請いました。疑問点は何でも即答でまさにスーパープロでした。NO98 

 

21/6/3 

女は国のたいらげ おんなはくにのたいらげ 

女性がいることで世の中が平穏で円滑に運ぶという意味。女性の存在で国がおだやかに収まるという解釈で、まさにそのとおりと思います。NO146 

 

21/6/4 

吝ん坊の柿の種 しらんぼうのかきのたね 

「吝」の訓読みは「けち」。けちな人は何の価値もないものまで惜しむということのたとえ。節約家にはなってもけちにはなりたくないものです。NO313 

 

21/6/5 

画竜点睛を欠く がりょうてんせいをかく 

総じてうまく運んだが、肝心なところに一つ不備があるという意味。何事も最後の一歩が難しく、100%完璧になる手前に重大な課題があることが多いです。がここは高齢者は経験を武器に前向きに慎重に不備を解消しましょう。NO181 

 

21/6/6 

彩ずる仏の鼻を欠く さいずるほとけのはなをかく 

事を念入りすぎ、逆に肝心の所を壊したり全体をだめにしてしまったりするたとえ。昨日のことわざにも通じるものがありますね。端正に彫り上げた仏像に、最後に彩色する際に鼻の先を欠いてしまった状況が目に浮かぶようです。NO264 

 

21/6/7 

痛くもない腹を探られる いたくもないはらをさぐられる 

自分には何の関わりもないのに、人にあれこれ邪推され疑いをかけられることのたとえ。医者の触診で、痛くもないところを触られることは不快なことですね。ここからきたことわざなのでしょうか。NO52 

 

21/6/8 

失敗は成功の基 しっぱいはせいこうのもと 

あまりに知られたことわざですが、何度聞いても貴重な教訓です。物事をしくじっても、その原因を突き止め、同じ過ちを繰り返さなければ成功への導きとなるという意味ですが、改めて心に留めたいものです。NO292 

 

21/6/9 

金言耳に逆らう きんげんみみにさからう 

「金言」は金のように価値の高い言葉。金言の言葉は正しすぎてむしろ反発を感じ、まともに聞き入れにくいこと。このコーナーでも時々、金言レベルのことわざが登場しますが、反発は感じませんが、なかなか実行が難しいものもありますね。NO210 

 

21/6/10 

女三人寄れば姦しい おんなさんにんよればかしましい 

「かしましい」という漢字がまさにそのもので、おしゃべりでにぎやかになることですね。我が家でも子供が帰省して女子が三人あつまることがありますが、会話と笑い声は絶えなくなります。時々であればこの状態もあんがいいいものです。NO142 

 

21/6/11 

大船に乗ったよう おおぶねにのったよう 

いささかも心配することなく物事が安心できることのたとえ。なかなかこのような境地になることは少ないですね。逆説的ですが心配事があるということは同時に解決策も考えますので、頭の活性化、ボケ防止にはいいかもしれません。NO116 

 

21/6/12 

顔に似ぬ心 かおににぬこころ 

顔と心根とにはつながりはなく関係のないこと。虫も殺さないいかにも優しそうな人が案外冷酷で不親切だったり、反対にやくざのような怖い顔つきの人が、親切で細やかな心遣いの人だったりすること確かにありました。人は顔で判断してはいけませんね。改めて思いました。NO152 

 

21/6/13 

浅い川も深く渡れ あさいかわもふかくわたれ 

浅い川でも、深い川を渡るように慎重に用心して渡れという教訓。言いかえると、簡単にできそうに見えても細心の注意を払って事を行えという戒めです。特に私たち高齢者は何事にもこのことが大切ですね。NO13 

 

21/6/14 

生き恥をかくより死ぬがまし いきはじをかくよりしぬがまし 

だらだら生き長がらえて恥ずかしい思いをするより、さっさと死んだほうがよいという意味。高齢になった今、複雑な思いがすることわざです。私は長生きをして「ピンピンコロリ」が理想ですが、確かに病気でベットに伏したままでは長生きはしたくないですね。NO44 

 

21/6/15 

大事の前の小事 だいじのまえのしょうじ 

大きなことをする前には小さいことにかかわりあう余地はなく、無視してよいこと。一方で大きなことをするには、小さなことも慎重に対処しなければならないという相反する意味があります。私は性格的にも後者の意味をとりたいと思います。NO346 

 

21/6/16 

馬には乗ってみよ、人には添うてみよ うまにはのってみよ、ひとにはそうてみよ 

リズムがあることわざです。物事の判断は自分で確かめてみなさいということ。見た目で軽率に判断せずに実際みずから確かめてみることが大切です。その意味で経験の大切さこそこのことわざの真髄です。NO95 

 

21/6/17 

籠で水汲む かごでみずくむ 

意味が分かりやすいことわざ。努力しても何の効果もないことのたとえです。「笊(ざる) で水汲む」ということわざもまったく同じ意味ですが、こちらのほうが一般的ですね。NO157 

 

21/6/18 

前車の覆るは後車の戒め ぜんしゃのこうむるはこうしゃのいましめ 

前の人の犯した過ちは、どんなものでも後の人の教訓になるとの戒め。先に走っていた車が転覆するのをみて、後の車は用心深く運転することが語源です。何事もそうですが、他人の犯した失敗は案外参考になるものです。ゴルフなどもそうでね。NO333 

 

21/6/19 

金は三欠くに溜まる かねはさんかくにたまる 

人としての心得である義理、人情、交際の三つをおろそかにしないと金は溜まるものではないという戒め。この三つは特に高齢者は大切にしなければならないものと思います。お金だけではなく、精神的に豊かな気持ちで生きるための基本というべきものではないでしょうか。まさに幸せの三要素ですね。NO174 

 

21/6/20 

勘定合って銭足らず かんじょうあってぜにたらず 

物事が一見理屈にあっているようにみえても、実際は違っていること。経営用語として使われたのが原意のようです。決算上利益が出ていても資金不足になっていることがあるんですね。特に個人事業者のどんぶり勘定などで見られます。私も注意したいと思います。NO186 

 

21/6/21 

過ぎたるは猶及ばざる如し すぎたるはなおおよばざるごとし 

物事の程度が過ぎるのは、足りないことと同じでよくないこと。読んで字のごとしですね。逆説的ですが、一瞬のチャンスを逃すなと私は解釈しました。NO320 

 

21/6/22 

芋幹で足を衝く いもがらであしをつく

油断して思わぬ失敗をすること。芋幹は里芋の茎を干したもので、干すと案外固くなり 素足で踏んだりすると怪我をすることがあります。ありそうもないことが起こるという意味もあるそうです。柔らかく見えたものが硬かったり、まっすぐに見えたものが曲がっていたりと先入観で考えて失敗することがあります。特に高齢者は油断大敵ですね。NO123 

 

21/6/23 

大豆は畑の肉 だいずははたけのにく 

大豆の栄養成分は肉に近く蛋白質や脂肪を含んでいて、肉のようだということ。上質の蛋白質を40%、脂肪を18%含んでいる高栄養食品だそうです。私は朝食時に納豆を毎日かかさず食べています。私が行っている数種類の健康法の一つで、皆さんにもお勧めです。NO347 

 

21/6/24 

鰯の頭も信心から いわしのあたまもしんじんから 

どんなに粗末でつまらないものでも、信心の対象となればありがたく思われること。江戸時代に悪魔祓いとして、鰯の頭を串に刺して信心の対象としていたことから生じたことわざだそうです。なんでも信じれば救われるということでしょうか。NO77 

 

21/6/25 

下戸の建てたる蔵もなし げこのたてたるくらもなし 

酒の飲めないものが、酒代がかからないといって資産家になった例はないという意味。もっぱら酒飲みの自己弁護に使われるようです。そもそも酒が飲める飲めないと金持ちになることとは強い因果関係はないと思うのですが。ちなみに私は大酒のみのほうですが。NO228 

 

21/6/26 

七度の餓死に遇うとも一度の戦いに遇うな  しちどのがしにあうともいちどのたたかいにあうな 

衝撃的なことわざです。餓死するような悲惨な状態に何度あっても、戦争よりはましだという意味です。何万もある日本のことわざのなかでも、これほど明確に戦争を嫌い、拒むものはないと思います。反戦思想の一つとして読むこともできるかもしれません。まさに先人の教えです。NO291 

 

21/6/27 

青天の霹靂 せいてんのへきれき 

「霹靂」という漢字は私は読めませんでしたがその意味を感じさせる字体です。突然起きた大事件や想像を絶する出来事などにびっくり仰天することです。3.11の大震災はまさに青天の霹靂でした。NO330 

 

21/6/28 

九死に一生 きゅうしにいっしょう 

もう少しで命を落とすところで助かること。私もこの歳まで生きていると「九死に一生」は一度や二度ではないですね。ここ5~6年でも何度かあります。あやうく交通事故に巻き込まれるとか、上から重量物が落ちてきたとかです。単に運がよかったのか、神様仏様に守られているのか。いずれ生かされていることに感謝です。NO199 

 

21/6/29 

四十過ぎての道楽は止まぬ しじゅうすぎてのどうらくはやまぬ 

中年を過ぎてから覚えた道楽は、簡単にはやめられないということ。読んで字のごとしです。私も四十才前後に覚えた多少金がかかる趣味が二、三ありますが、まさにことわざどおり今でも続いています。生きる楽しみと言うか、励みになっています。的を得たことわざです。NO286 

 

 

21/6/30 

驚き桃の木も山椒の木 おどろきもものきさんしょのき 

びっくりしたということをしゃれて言うこと。「き」を語呂合わせにしてリズムある、よく知られている洒落言葉です。これを年寄が言っても今の若い人はわ分からないかもしれません。時代を感じることわざです。ON125 

 

  

 

(7月)

21/7/1 

縁は異なもの えんはいなもの 

男女の結びつきは常識では判断できない不思議なものという意味。結論からみると運命ともいえますが、客観的にみると男女に限らず人生は人との人との偶然の繋がりでできているものです。不思議というほかありませんね。NO111 

 

21/7/2 

鴨が葱を背負ってくる かもがねぎをしょってくる 

うまい話や好都合なことが重なること。鴨鍋をしようとしたら材料のネギも一緒に手に入ったということが原意。長く生きていると時々こうゆうことがありますが人生の妙味ですね。その反対で悪いことが重なることもありますが。NO179 

 

21/7/3 

四百四病より貧ほど辛いものはなし しひゃくしびょうよりひんほどつらいものはなし 

どんな病気より貧乏が一番つらいということ。「四百四病」は仏教用語で人間の病気の総称だそうですが、私は初めて聞く言葉です。貧乏だと病気になっても病院にいけないという意味では一理ありますが、死にたいほどつらい病気もありますからなんとも言えないですね。NO295 

 

21/7/4 

苦は楽の種 くはらくのたね 

現在の苦労は将来の楽な生活のもととなるという意味。幸不幸、運不運などと同じように、楽と苦はいわば表裏一体の関係にあります。このような対極的な意味のことわざは、「苦労は必ず報われる。」、「夜は必ず明ける。」、「病気は必ず克服する。」など前向きな考えに結び付けたいものです。NO218 

 

21/7/5 

他山の石 たざんのいし 

他人の誤った言動を教訓として自分の修養に役立てることが大切という意味。半面教師ということばも同意と思います。「えっそこまで言う」「その言葉は相手を傷つけている」と会話を聞いてて思うことがありますね。心の中で自分は注意しようと同時に思います。特に高齢者は自分の子供に対する安易な言動に注意しましょう。嫌われますよ。NO355 

 

21/7/6 

鶏群の一鶴 けいぐんのいっかく 

多くの平凡な人の中に一人だけ立派な人物がいるたとえ。鶏を凡人に、鶴を傑人なぞらえたもの。私はもちろん鶏群の一人ですが、一鶴に値する人物は何人か頭に浮かびました。少ないですが、一鶴に値する人はいますね。NO225 

 

21/7/7 

喧嘩両成敗 けんかりょうせいばい 

よく知られたことわざ。喧嘩をした者は理由を問わず、双方を罰するということ。室町時代にできたご法度のようですが、江戸時代に廃止されたそうです。有名な赤穂浪士の仇討ち事件で、吉良上野介に対する片手落ちの沙汰が発端だったのは有名ですね。現在では機械的な両成敗は通じない考えですね。NO233 

 

 

21/7/8 

仁者は山を楽しむ じんしゃはやまをたのしむ 

仁徳のある者はものは天命を委ねられているから欲望に惑わされず、自然を楽しむことができるという意味。論語からの出典のようですが、一歩でもこのような境地に近づきたいものですね。NO315 

 

21/7/9 

過ぎたる猶及ばざるごとし すぎたるはなおおよばざるごとし 

物事の程度が過ぎるのは、足りないことと同じであるということ。昨日に続きこれも論語から由来するものです。食事提供するとき、相手は足りな過ぎても多すぎても内心満足していないですよね。こんな状態でしょうか。びったしかんかんは非常に難しいことですが、考え方としては大事ですね。NO320 

 

21/7/10 

おんぶに抱っこ おんぶにだっこ 

抱かれることと背負われることを一緒にしてもらうような、いたれりつくせりのたとえ。 このことわざは誰でも結構普通に使いますね。友人と車で旅行に行く時、友人の車で、友人の運転で、昼食までいただいて、思わず「おんぶに抱っこで、いいね」こんな感じですね。NO147 

 

21/7/11 

水母も骨に会う くらげもほねにあう 

初めて聞くことわざです。水母を「くらげ」と読むのですね。言われてみればという漢字です。起りえないことや、大変珍しいこことに出会うという意味です。水母に骨はありませんので、よく意味が分かります。NO220 

 

21/7/12 

しくじるのは稽古のため しくじるのはけいこのため 

腕前をあげるには、失敗してそこから学んでゆくことが大切の意味。天才といわれる人でも最初から名人・達人であることはなく、失敗の経験を積み上げて、そこから向上してゆくものです。私の自転車修理の師匠も大変な努力と失敗を積み重ねて現在の地位を築いています。励みになることわざです。NO281 

 

21/7/13 

我田引水 がでんいんすい 

他人の不利益を顧みずにい自分の都合のよいふるまいをすることのたとえ。田になくてはならない水を自分のところだけにひいていまうが語意。特に高齢者は自分本位の考えになることが多いです。他人の立場を考え、行動と発言をしたいものです。NO169 

 

21/7/14 

木で鼻をくくる きではなをくくる 

相手に対して不愛想で味もそっけもない態度をとることです。嫌いな相手に対してこのような態度をとることが多いですが、子供の対応と思います。高齢者は相手がどんな人でも少なくても表面的には大人の対応をしましょう。NO195 

 

21/7/15 

酸いも甘いも噛み分ける すいもあまいもかみわける 

人生経験が豊かで、こまやかな人情に通じて、世間の微妙な事情にも通じていること。複雑な世間や人情を食べものにたとえ、これは酸っぱいもの、こっちは甘いものと嚙み分け熟知することが語意のようです。高齢者になった今こそ、私の理想像でもあります。NO319 

 

21/7/16 

ある時払いの催促なし あるときばらいのさいそくなし 

主として、相手に金を貸す際に、この上なく寛大な返金条件を言う言葉。金を貸す場面で、相手が年下の場合や金の持ち合わせがない時に、将来、金ができたら返してもらうけど特に催促はしないよという太っ腹な人の言葉ですね。NO39 

  

 

21/7/17 

いつも月夜に米の飯 いつもつきよにこめのめし 

常にそのようにありたいと願っていること。そして、それがいつまで続いても飽きることがないことの意味。いつまでも健康で、必要なお金は常に十分にあり、好きな趣味や仕事に打ち込めること。高齢になった今、つくづくこのようにありたいものです。NO66 

 

21/7/18 

三十六計逃げるに如かず さんじゅうろっけいにげるにしかず 

逃げるべき時は、逃げるのが最上の計略だということ。逃げるべき時、避けるべき時に逃げるのも作戦の一つです。人生も同じで、押されたら引くことも必要です。無理は絶対禁物です。NO274 

 

21/7/19 

子を持って知る親の恩 こをもってしるおやのおん 

自らが親になってみたときに、親のありがたさが分かるということ。息子が結婚し子供ができたとき、いみじくも私に「お父さんの苦労がよく分かったよ」と言いました。これ以降父の日にプレゼントが届くようになりました。このことわざのとおりです。NO259 

 

21/7/20 

雨垂れ石を穿つ あまだれいしをうがつ 

どんな小さなちからでも根気よく続ければ、いつかは成功し、ことが成るという意味。小さな雨垂れ一粒ずつでも同じ個所に長く落ち続けていれば、やがて石に凹みや穴ができるという科学的真理でもあります。NO33 

 

21/7/21 

歌は世につれ世は歌につれ うたはよにつれよはうたにつれ 

歌と世の中はお互いに影響を受けて変わるということ。歌は世情をよく反映しているものだと言う意味です。戦前、戦中、戦後の歌をみてもまったくそのとおりと思います。今でいう流行歌は世相を反映し、消えては現れ、現れてい消えていきますが名曲は残りますね。NO91 

 

21/8/22 

挨拶は時の氏神 あいさつはときのうじがみ 

争いごとが生じた時、仲裁する人がいたら、その人は氏神様のようにありがたいものなので、その人の調停に従うのがよいということ。「挨拶」は仲裁者の意味。私の知人に家庭裁判所の調停委員をやってる方がいます。まさに氏神様のお仕事をされているということで尊敬している知人の一人です。NO2 

 

21/7/23 

善は急げ ぜんはいそげ 

よく聞く、また、よく言うことわざですね。よいと思ったことは即座に実行せよということです。あまり知られてないことですが、この後に「悪は延べよ」と続けて対句形式とするのが正規の用いり方だそうです。私の好きなことわざの一つです。NO336 

 

21/7/24 

旅は道連れ たびはみちづれ 

旅には同行者がいる方が安心だということ。世渡りではお互いに思いやる心が大切だということを、旅にたとえて言っています。世渡りを人生と読み替えてもいいですね。NO366 

 

21/7/25 

言葉は身の文 ことばはみのあや 

言葉はその人の品性や人柄を表すということ。「あや」は外見の飾りや模様のことです。やさしい心持の人はやさしい語り口になるものです。まさにそのとおりですね。NO249 

 

21/7/26 

内裸でも外錦 うちはだかでもそとにしき 

家では貧しい暮らしぶりでも、外では身なりを整えること。また、そのような世渡りの方法を言っています。武士の外向きのたしなみでもありました。経済的に豊かそうでないかは別にして、私たち高齢者は、外出するときはさっぱりとした清潔な服装をすべきですね。そのきずかいがボケ防止にもつながるのでは。自戒ですが。NO92 

 

21/7/27 

狼に衣 おおかみにころも 

邪悪な人が情け深そうに装うこと。外見は僧侶のように信頼できる善人に見える法衣をまとっているが、それを着けている人は詐欺師など悪人。おれおれ詐欺師はまさにこの典型ですね。甘い言葉や通常ではありえない儲け話にはくれぐれも注意しましょう。NO114 

 

21/7/28 

大根おろしに医者いらず だいこんおろしにいしゃいらず 

大根おろしを食べていれば医者にかかることはないということ。読んで字のごとしの健康格言ですね。大根には消化作用のあるジアスターゼが多く含まれていて胃の調子をよくするとのこと。食が順調であればまさに健康の元です。NO345 

 

21/7/29 

打てば響く うてばひびく 

大変明快なことわざです。すぐに反応することです。鐘や太鼓を打てばすぐ音が鳴る。そのように敏感に反応することを言います。せっかちな私の性格に合っていることわざの一つです。NO93 

 

21/7/30 

策士策に溺れる さくしさくにおぼれる 

策略に富んだ人が策を労しすぎて失敗すること。策略もこちらが考えている想定どおりになったときに初めて功を奏することになります。特に私たち高齢者は策を労せず自然体で、ある意味成り行きまかせもいいと思います。NO266 

 

21/7/31 

学者と大木にわかにできぬ がくしゃとたいぼくにわかにできぬ 

学問は急ごしらえにすることはできないという意味。転じてりっぱなことをするにはしっかりとした基礎が必要ということです。大木になるには相当な年月が必要で時間の長さをたとえています。何事もこつこつと基礎、土台をつくることが大切ですね。NO93 

 

 

 

 

(8月)

21/8/1 

雨の日は天気が悪い あめのひはてんきがわるい 

本日は朝から小雨ですがこれにふさわしいことわざを一つ。「雨の日は天気が悪い」当たり前のことをいうたとえだそうです。思わず笑ってしまいます。取り立てて説明をするまでもないことわざを「自明のことわざ」と言うのだそうです。NO35 

 

21/8/2 

鰯網で鯨を捕る いわしあみでくじらをとる 

想像もしない意外な収穫や、思いがけない幸運をつかむことのたとえ。小さくて弱い魚の代名詞である鰯を捕る網に、地球上で最大の動物である鯨がかかることは、現実にはありえないことですが、可能性が低ければ低いほど、実際に起こったときは驚きと喜びは大きいものですね。ある意味豪快で爽快感があることわざです。NO76 

 

21/8/3 

凝っては思案に余る こってはしあんにあまる 

物事に熱中しすぎると気持ちにゆとりがなくなり、かえってよい考えが生まれないということ。たとえば、研究の優れた成果を得るには、その研究に熱中しなければ得られないでしょう。しかし、その熱中も度を過ぎれば、手段である研究が目的化してしまい、そこに埋没する危険性があります。何事も程度問題です。NO247 

 

21/8/4 

嘘も方便 うそもほうべん 

嘘は使う目的がよこしまでなければ、必要なこともあるということ。「方便」は仏教用語で衆生を救うために用いられる巧な手段や方法のことです。「天国に行くためには悪いことはするな」などは、もしかしたら崇高な「嘘も方便」なのかもしれません。肝心なことは悪意でなくで相手を気遣った嘘は許されることもあると言うことです。NO90 

 

21/8/5 

海賊が山賊の罪をあげる かいぞくがさんぞくのつみをあげる 

同類のものが敵同士になること。似たもの同士がお互いの欠点を暴くこと。と二つの意味があるそうです。お互いに盗人なのにお前のほうが罪が重いと罵りあう様がみえるようです。私からするとユーモアも感じることわざですね。NO149 

 

21/8/6 

兄弟は他人の始まり きょうだいはたにんのはじまり 

血のつながる兄弟姉妹でも、やがて他人同士のような疎遠な関係になるたとえ。親からするといつまでも助け合って仲のいい兄弟でいてほしいと思います。しかし、やがて成長し、それぞれが独立して自分の家庭を築くようになるとどうしても疎遠になります。成長の証であっても親からするとちょっと寂しい気持ちです。我が家も同様です。NO149 

 

21/8/7 

義を見てせざるは勇無きなり ぎをみてせざるはゆうなきなり 

人間として行うのが正しいことと知っておりながら実行しないのは、本当の勇気がないからだということ。立派な言葉だと思いますが、実行となると案外難しいものです。香港やミヤンマーで民主主義を唱え運動している方々に本当に頭が下がる思いです。NO209 

 

21/8/8 

女と坊主に余りものはない おんなとぼうずにあまりものはない 

坊主はどこかで喜捨を受けれるように、女性は一生独身ということはなく、いつか口がかかり相手に困らないということ。現代では、一生独身を貫く女性もいますので、通じないところもありますが、お坊様が仕事にあぶれることはないでしょうね。NO143 

 

21/8/9 

知らぬが仏 しらぬがほとけ 

事実や真相を知らなければ、仏のように心穏やかにしていられるの意味。知ってしまったために、悩んだり、眠れなかったりすることがあります。事と内容によりますが、穏やかに過ごすための知恵でもありますね。NO311 

 

21/8/10 

雨垂れ石を穿つ あまだれいしをうがつ 

どんな小さな力でも根気強く続ければ、いつかは成功し事が成るという意味。小さな雨垂れ一粒ずつでも、同じ個所に長く落ち続けていれば、やがて石に凹みや穴ができます。何事も根気よく続けることが、結局は成功の秘訣かもしれません。NO33 

 

21/8/11 

他人の飯には刺がある たにんのめしにはとげがある 

他人に親切にされても、底意があるから単純には喜んでばかりはいられないという意味。さらに深堀すると、他人に負い目を持ちながら、その善意によりかかって食べる飯には、異物や魚の骨が混じっているように感じられるというのが原意。が他人の新設の深読みもほどほどに。NO363 

 

21/8/12 

勝って兜の緒を締めよ かってかぶとのおをしめよ 

勝っても油断せず、成功しても安閑とせず、用心を怠るなという戒め。戦いに勝っても、兜の緒を緩めるどころか、反撃に備えて締めなおすという周到な用心が必要というのが語源です。何事も成功している時こそ油断大敵です。NO167 

 

1/8/13 

河童の水練 かっぱのすいれん 

よく分かっている人に、分かっていることを説く愚を言うこと。また、行う必要がない無意味なことという意味もあるようです。釈迦に説法ということわざもありありますね。NO169 

 

21/8/14 

猿も木から落ちる さるもきからおちる 

あまりにも有名なことわざですね。言うまでもなく、その道の名人・達人でも失敗することがあるというたとえです。得意なことこそ慎重にやるべきですが、失敗に備えた心の準備も必要と思います。失敗の不都合はできるだけ小さいものにしましょう。NO271 

 

21/8/15 

馬の耳に念仏 うまのみみにねんぶつ 

昨日と同様に有名なことわざです。意味は言うまでもありません。何の効果もなく無駄や無意味のたとえです。有益な価値あるものに対して何も感じないという意味もあります。我々高齢者は馬の耳にならないようにしましょう。NO96 

 

21/8/16 

商いは牛の涎 あきないはうしのよだれ 

商売は、細く長く途切れなく気長に辛抱強く営めという教訓。まさに私の商売の教訓ですね。創業5年になりますが、今後とも末永く、地域住民の足の確保を念頭に商いを続けていきたいと思います。NO7 

 

21/8/17 

備えあれば憂いなし そなえあればうれいなし 

防災標語としても有名なことわざです。普段から準備をしていれば、万一何が起こっても心配はないということ。また、将来に備えて、常々の心がまえが必要だということです。ものの備えと、お金の備えと、そして心の備えを常に持ちましょう。特に高齢者は。NO340 

 

21/8/18 

犬も歩けば棒に当る いぬもあるけばぼうにあたる 

誰でも知っていることわざです。何かをやっていれば意外な幸運に出会うこと。一方で、まったく相反する、何か行動すると災難に遭遇するという意味もあります。私は前者の解釈をとりたいですね。NO69 

 

21/8/19 

群盲像を撫でる ぐんもうぞうをなでる 

物事の一部を見ただけで全体を誤って判断すること。「木を見て森を見ず」ということわざもありますが、こちらのことわざの語源は深い意味がありそうな感じがします。これを教訓とするなら、例えば日常生活の中の会話では言葉尻を捉えて判断することは慎みたいものです。NO223 

 

21/8/20 

口八丁手八丁 くちはっちょうてはっちょう 

弁舌が巧みなうえに、行動力・実行力があること。「八丁」は巧みだという意味に使われています。このような人はまさに政治家に向いていると思われます。私は手八丁だと思いますが、明らかに口八丁ではないようです。例えば大勢の人前で話す場合は、極度の緊張を伴い原稿があってもとちることがあるくらいです。NO217 

 

21/8/21 

出すものは舌を出すのもいや だすものはしたをだすのもいや 

きわめてけちのたとえ。言うまでもなく口から舌を出すのも惜しくていやだとうことが原意。自分の利害に関係ないことや、相手の利益になることも嫌だという究極のけちですが、家族からも嫌われるタイプです。こうはなりたくないものです。NO356 

 

21/8/22 

義を見てせざるは勇無きなり ぎをみてせざるはゆうなきなり 

人間として行うのが正しいことと知っておりながら実行しないのは、本当の勇気がないからだということ。論語に出てくる有名な言葉です。俗な人間としては、立派な言葉だと十分理解していますが、俗な人間としては、実行となるとなかなか難しいものです。NO209 

 21/8/23 

親の脛を齧る おやのすねをかじる 

自立した生活ができず、親の経済的援助を受けることのたとえ。私の子供はすべて成人、家を出て就職し経済的にも自立しています。が本音、少しは親を頼ってもらいたい、すなわち、脛を齧ってもらいたい気持ちも少しはありますね。NO138 

 

21/8/24 

一に看病二に薬 いちにかんびょうににくすり 

病を直すには身近な人の看病が一番効果があり、薬は二の次だということ。「病は気から」ということわざではありませんが、病は本人の気の持ちようで、重くも軽くもなる。病に立ち向かう前向きな気持ちが大切だということです。競泳選手の池江璃花子さんはまさにそうですね。NO56 

 

21/8/25 

後の喧嘩先にする あとのけんかさきにする 

事前に十分な論議をしておけば、後でいざこざが起きないということ。悶着が起きそうな事柄を切り出すときに前置きとして用いられることが多いようです。難しい案件を取り扱う時の仕事の教訓とも言えます。NO29 

 

21/8/26 

虎穴に入らずんば虎子を得ず こけつにいらずんばこじをえず 

危険を覚悟して思い切ったことをしなければ、十分な成果は得られないこと。虎穴とは虎が住んでる穴で、虎子はその中にいる虎の子供、お金とか大切なもののたとえです。たとえば投資で大きく儲けを狙うには大きなリスクが伴ないます。高齢者にとっては、大きなリスクは取れないですので、虎穴には入らないほうがいいですね。NO244 

 

21/8/27 

千里の道も一歩から せんりのみちもいっぽから 

どんな大規模で遠大なことでも、小さなことや手近なことから始まることのたとえ。とにかく一歩からやってみなさい、という行動を促す意味合いもあります。学生のころ先生からよく聞く言葉でもあります。NO337 

 

21/8/28 

烏を鷺と言う からすをさぎという 

正しくないことを強引に正しいと正当化すること。黒い烏を白い鷺と言いくるめることが原意。黒い烏をずるがしこい悪いとりに例えて成り立つことわざですが、烏にすればいい迷惑です。NO180 

 

21/8/29 

阿弥陀仏の光も銭次第 あみだぶつのひかりもぜにしだい 

金の威力は絶大で、すべての世の中は金次第であるということ。何事も金の世の中で、仏様の御利益までも、賽銭が多いか少ないかで決まってします。戒名もこれしかり。本音で言うと実感です。NO34 

 

21/8/30 

神は正直の頭に宿る かみはしょうじきのこうべにやどる 

正直な人には神様の加護があるということ。これと相反の意味がある「正直者は馬鹿をみる」ということわざもあります。とはいえこの先短いわれわれ高齢者は、このことわざを信じて正直をモットーに生きたいものです。神、仏、ご先祖様の加護があることを信じて。NO34 

 

21/8/31 

重荷に小付 おもににこづけ 

負担が大きいところに更に負担が加わるたとえ。小付はメインの荷物に加わる小さな荷物のことです。多額の借金にさらに借金が加わるといったときに使われることわざです。大変な時に大変なことが重なることは長く生きていると時々起こることです。慎重に対処したいものです。NO133 

 

 

 

(9月)

21/9/1 

鯛の尾より鰯の頭 たいのおよりいわしのあたま 

大きな組織・団体の下の立場にいるより、小さくても上で活躍する方がよいというたとえ。「鶏口牛後」という言葉も同義語でしょうか。人により考え方がいろいろですが、大企業の一社員より中小企業の社長の方が夢とやりがいがありますね。資金繰りなどいろいろと大変ですが。NO348 

 

21/9/2 

背に腹は代えられぬ せにはらはかえられぬ 

大事なもののためには、ほかのことは犠牲になってもやむをえないというたとえ。腹側に大事な臓器が集まっているから、その大事な腹は他のものには代えられないということ。普通の会話で現在でもよく使われることわざですね。NO331 

 

21/9/3 

歳月人を待たず さいげつひとをまたず 

時は人の都合にかまうことなくどんどん過ぎてゆくものだから、時間は大切にしなければならないということ。年をとればとるほど時間の流れるスピードは早まるというのはほんとうでした。特に仕事や趣味を持たない方は、一日の時間は長いのに、振り返った過去の時間は相当早く感じるとのことです。改めて時間を大切にしましょう。NO263 

 

21/9/4 

縁なき衆生は度し難し えんなきしゅじょうはどしがたし 

仏縁のない者は仏でも救いようがないということ。転じて、聞く耳を持たない人はどうしようもないということ。「度す」は仏教の言葉で、俗世界から理想の仏教土に人を渡すこと、言い換えると救済するという意味だそうです。信仰に限らず信じるものがあるということは人生の目的にも生きがいにもなり大切なことだと思います。NO110 

 

21/9/5 

韋編三たび絶つ いへんみたびたつ 

何度も繰り返して読むこと。熟読するという意味でもあります。「韋」はなめし革で、「韋編」とは竹の札を革紐で綴った書物のことです。この革紐が三度切れるほど読み込んだというのが原意。中国の「史記」の故事からの出典でなかなか意味深いです。ちなみに、私の座右の銘本「生きて死ぬ智慧」何十回も目を通し、ぼろぼろです。NO184 

  

 

21/9/6 

川立ちは川で果てる かわだちはかわではてる 

自分の得意なことや慣れ親しんだことでも、油断すれば大失敗するいうたとえ。川立ちとは、川のそばに住み泳ぎが得意な人で、果てるとは溺れるということ。日常生活で慣れというのは曲者で、思いがけない事故に巻き込まれることもあります。油断大敵とはこのことわざのごとしです。NO254 

 

21/9/7 

子供に勝る宝なし こどもにまさるたからなし 

子供は人の世の中で最高の宝物だということ。子供ができると「子宝に恵まれる」と言います。まさにこのことですね。子供は人生を豊かに冥利あるものにしてくれるのは確実です。育児過程では大変な苦労もあります必ず報われます。NO251 

 

21/9/8 

正直者が馬鹿を見る しょうじきものがばかをみる 

だれもが知っている、そして使っていることわざです。ずるがしこい人が利益を得るのに、正直者は損をして悔しい思いをさせられるということです。実際にこのようなことが多くあります。がたとえばかをみても基本正直にありたいものです。NO305 

 

21/9/9 

千日の萱を一日で焼く せんにちのかやをいちにちでやく 

長い間、苦労して作り上げたことを一度に失ってしますたとえ。萱はかやぶきする屋根の材料で家の建て替え時には大量に使うため、何日もかけてストックする必要があります。これが何かの拍子に火が付きあっというまに燃えてしまうことが原意です。これまでの努力が水泡に帰すことがないよう人生の集大成の時期は特に注意しましょう。信用とお金と住まいは特に大切です。NO335 

 

21/9/10 

腐っても鯛 くさってもたい 

これもよく聞くことわざです。本当に優れているものは、多少、落ち目になったり、痛みが来てもそれなりの価値があるという意味です。鯛は魚の王様、見た目よし、形よし、味よし、持ちもよし。江戸時代は縁起がよいものとして、飾られ、多少悪くなっても食べられたということが語源とようです。鯛恐るべし。NO213 

 

21/9/11 

勝って兜の緒を締めよ かってかぶとのおをしめよ 

勝っても油断せず、成功しても安閑とせず、用心を怠るなという戒め。戦いに勝っても、兜の緒を緩めるどころか、反撃に備えて締めなおすという周到な用心が必要というのが語源です。何事も成功している時こそ油断大敵です。NO167 

 

21/9/12 

熱火を子に払う あっぴをこにはらう 

自分の身の安全を図って、最愛のわが子ですら犠牲にすること。危機が迫ると利己心をむき出しにするたとえ。このことわざの意味を知り、映画タイタニックを思い浮かべました。自分を犠牲にして他人を助ける人、自分が助かるために他人を蹴落とす人など人間の本性がむき出しになる場面の連続でしたね。本当の危機の中で自分はどう行動するのか。このことわざは半面教師としたいものです。NO27 

 

21/9/13 

急がば回れ いそがばまわれ 

よく聞き、そく使うことわざです。急いでいるときは、危険性のある近道より遠回りでも安全な道を行ったほうがよいということから、急ぐときはゆっくり落ち着いて、慎重に着実にやるのがよいというたとえです。改めて肝に銘じたいと思います。NO51 

 

21/9/14 

昨日の淵は今日の瀬 きのうのふちはきょうのせ 

淵は川底が深いため流れがゆったりしている箇所で、瀬は浅いため流れが激しい所。まさに栄枯盛衰が激しいことのたとえです。現代でも環境の変化は激しく、これは経済でも政治でも世の中に全体に言えることですね。もちろん人生もです。NO196 

 

21/9/15 

千金の子は市に死せず せんきんのこはいちにしせず 

金持ち子の子は重罪を犯しても金の力で死刑を免れることができること。世の中は金の力でどうにでもなるというたとえ。韓国社会が思い浮かぶことわざです。しかし、そのことが見つかった時の国民の反発も相当のようで、その末路にも注目したいですね。NO332 

 

21/9/16 

生き馬の目を抜く いきうまのめをぬく 

すばやく事をなこと。あるいは、ずるい上に、抜け目がなく油断も隙もないという意味もあります。表現と意味がストレートに一致しないことわざの典型です。何ゆえに目を抜くのかミステリーですね。NO43 

 

21/9/17 

案ずるより産むがやすし あんずるよりうむがやすし 

これもよく使われることわざですね。新たな仕事に対して担当部下ができるかどうか心配しているときに上司がこのことわざを使う様子が目に浮かぶようです。初めて出産する女の人の心配は大変なものですが、案外すんなり安産で、心配がうそのようが語源のようです。NO40 

 

 

21/9/18 

蓼食う虫も好き好き たでくうむしもすきずき 

人によって好みとするものは違っておりさまざまだというたとえ。「蓼」の意味が気になりますが、これは茎や葉に苦みのある成分を持つ植物。このような植物を好む虫もいるというのが原意です。パクチーは私は嫌いですが、一時ブームになるほど好きな人がいたことを思い出しました。NO359 

 

21/9/19 

鬼の首を取ったよう おにのくびをとったよう 

大手柄を立てたように得意になること。日本の昔の戦では、敵の大将の首をとることが勝利の証でした。だから、人より強い鬼の首を取ることは大手柄でした。時々現代でも使われることわざですね。NO129 

 

21/9/20 

同じ釜の飯を食う おなじかまのめしをくう 

親密な生活をともにおくるという意味。親しさを表す表現として「同じ釜の飯を食った仲」とよくいいます。高校や大学で寮や合宿をともにした仲を例えたりします。少しニュアンスが違いますが幼馴染で仲の良さを表す「竹馬の友」という言い回しもありますね。私は親友の結婚式の友人挨拶でこの言葉を使いました。NO126 

 

21/9/21 

蛇の道は蛇 じゃのみちはへび 

同類のことは同じ仲間がよく分かり、その道のことはその道の者がよく分かっていることのたとえ。音読みの「じゃ」は大蛇のこと、訓よみの「へび」は普通の蛇のことを言うそうです。自転車のお困りごとは、やはり自転車店に聞くのが一番です。NO299 

 

21/9/22 

朝の来ない夜はない あさのこないよるはない 

事態はいつかかならず好転するということ。英語のことわざにも、「夜の後に昼が来る」があります。フィンランドにも、「夜はどんなに長くとも夜明けは必ず来る」があります。確かに白夜も必ず明けますね。今大変な事態でも好転を信じて過ごしましょう。NO16 

 

21/9/23 

孔子も時に遇わず こうしもときにあわず 

どんな立派な人でも時世に合わなければ埋もれてしまうこと。この原意から有能な人でもチャンスに恵まれなければ才能が開花しないことのたとえとして使われます。逆から言うと、成功したひとはチャンスを活かした人でもあります。チャンスかどうかを見極める力も必要ですね。NO239 

 

21/9/24 

一押し二金三男 いちおしにかねさんおとこ 

好きな女性と一緒になるためには、お金や男前は二の次、三の次で、熱意と情熱による押しが一番に必要だということ。なるほど一理ありますね。でもお金とイケメンは非常に有利に働くものです。NO54 

 

21/9/25 

暑さ忘れりゃ陰忘れる あつさわすれりゃかげわすれる 

苦難が過ぎ去ると、その時に助けてくれた人の恩は忘れてしまうこと。夏の炎天下では、一服できる物陰や木陰はありがたいものです。そのありがたい木陰も、季節が移り変わるとその存在すら忘れてしまいます。人から受けた恩は忘れないようにしたいものです。NO26 

 

21/9/26 

猿の尻笑い さるのしりわらい 

自分のことを棚にあげて、他人の欠点を嘲笑うことのたとえ,。猿が自分の尻も赤いのに他の猿の尻が赤いと言って笑うことが原意。鳥獣戯画にありそうな人を皮肉った情景が浮かぶようです。高齢者が自分が不自由なところもあるのに、老人の何かと不自由なところを笑うようなものです。厳に慎みたいものです。NO270 

 

21/9/27 

出家の念仏嫌い しゅっけのねんぶつぎらい 

肝心かなめのことが嫌いなたとえまた、肝心なことができないたとえ。僧侶がお経を読めない、あるいは嫌いだっらたとしたら困ったことになりますね。しかし、お寺を無理やり継がされたらあり得ることです。最も大事なものが嫌いだったとしたら自他ともに大変なことになります。NO303 

 

21/9/28 

易者身の上知らず えきしゃみのうえしらず 

他人のことはよく分かるのに、自分のことは分からないことのたとえ。「当たるも八卦あたらぬも八卦」というように、その道の専門家でも運勢を言い当てるのは難しいものです。それでも運勢を当てるのが商売だから何でもお見通しを通す。ところが肝心の自分のことは分からない。ずいぶん皮肉をこめたことわざです。NO105 

 

21/9/29 

禍福は糾える縄のごとし かふくはあざなえるなわのごとし 

幸福と不幸は表裏一体のものだというたとえ。「糾える」は、縄などを交え合わせるという意味です。縄は藁が交互に上になったり下になったりしたもので、これと同じように人間の幸と不幸は交互にやってくるものです。幸福に有頂天になってはいけないという戒めでもあるようですね。NO176 

 

21/9/30 

親擦れより友擦れ おやずれよりともずれ 

子供にとっては友達の悪い影響の方が、親の良い影響より強いということ。確かに特に思春期の子供は親子関係より友人関係を大事にします。その結果、友達の良い影響も悪い影響も強く受けることとなります。親は子供の友達を選べませんからなかなか手厳しいことわざです。NO135 

 

 

 

(10月)

21/10/1 

一葉落ちて天下の秋を知る いちょうおちててんかのあきをしる 

本格的な秋本番にふさわしいことわざと思います。ほんのちょっとした現象によって、あとに起こる大勢を予知すること。ここの「葉」は青桐の木の葉だそうです。この木は他の木より落ち葉が早いため秋の訪れを早くに察することができます。なんとなく寂しさも感じることわざです。NO60 

 

21/10/2 

尻に火 しりにひ 

短いことわざですが、日常的によく使いますね。事態がひっ迫するたとえです。安閑としてられないという意味でもあります。私の場合は、経理の月締めの月末・月初めと確定申告が迫った時期に尻に火がつく状態になります。NO312 

 

21/10/3 

香り松茸味しめじ かおりまつたけあじしめじ 

秋にふさわしいことわざを一つ。この季節よく聞きます。物事にはそれぞれの長所短所があることのたとえ。松茸は日本ではきのこの王様です。中国産でも韓国産でもいいので今年こそ食べたいものです。NO153 

 

21/10/4 

雨降って地固まる あめふってちじかたまる  

いざこざやもめごとが起こっても、それがかえってよい結果やよい状態をもたらすこと。雨が降って柔らかくなっても、やがて地盤がしっかり固まる現象に着目したことわざです。例えば喧嘩をして、お互い本音をぶつけ合い、裏も表もない仲の良い関係になる。若いころよくありました。NO36 

 

21/10/5 

朱に交われば赤くなる しゅにまじわえばあかくなる 

人は付き合う仲間によって、良くもなり悪くもなるというたとえ。「朱」は赤の顔料。ちょっとさわっても赤くなることから、接する者の影響力に例えられています。ちなみに、政治の中で例えると、派閥のリーダーと構成員の関係ですかね。NO304 

 

21/10/6 

桂馬の高上り歩の餌食 けいまのたかあがりふのえじき 

実力が伴わずに不相応に高い地位についた者は失敗するということ。言うまでもなく将棋からでた言葉で、一般によく知られていますね。桂馬が不用心に敵陣へ進みすぎると、最も弱い歩に取られてしまうことがあります。例えが腑に落ちます。NO227 

 

21/10/7 

意見と餅はつくほど練れる いけんともちはつくほどねれる 

はじめて聞くことわざです。人の意見には、従えば従うほど利することが大きいということ。「意見につく」とは、他人の忠告に従うという意味です。これを「餅を搗く」に掛けています。ことわざに時々みられる洒落技法を使っているとのことです。NO45 

 

21/10/8 

悪事身に返る あくじみにかえる 

悪行は、最後には自分の身に帰ってきて、自分自身が苦しむ結果となるということ。2ケ月ほど前に、IRがらみで収賄罪で有罪になった衆議院議員がいましたね。まさにこのことです。そういえば類義のことわざで、「身から出た錆」や「自業自得」があります。NO11 

 

21/10/9 

ごまめの歯ぎしり ごまめのはぎしり 

能力や力のない者が、いたずらに憤慨することのたとえ。「ごまめ」とは片口鰯を干したもの。生きていない魚が歯ぎしりをすることはないはずで、憤慨する資格もないという解釈でしょうか。ニュアンスがしっくりしないことわざの一つだそうです。逆にいろいろな解釈ができ想像力をかきたてられることわざです。NO255 

 

21/10/10 

コロンブスの卵 ころんぶすのたまご 

なんでもないように見えることでも最初に考え、やり遂げるのは難しいということ。そして、ちょっとしたアイディアで事が可能になるというたとえ。卵をテーブルの上で立てることが誰もできない中で、コロンブスが殻の尻を少しつぶして、みごとに立てたという逸話からでたことわざです。この柔軟な発想は生活の中でも大切ですね。NO258 

 

21/10/11 

嘘つきは泥棒の始まり うそつきはどろぼうのはじまり 

能なじみのことわざです。嘘はついてはならないという戒めです。ことわざの世界では、嘘に対して肯定的な扱いをしたものと、否定的なものとがありますが、これは否定的なことわざの代表格ですね。肯定的なものは「嘘も方便」があります。相手を傷つけないような気遣いのいい嘘と悪意ある嘘があるということですね。NO89 

 

21/10/12 

餓鬼の断食 がきのだんじき 

うわべだけを繕うことのたとえで、偽善的な行為ややせがまんのこと。餓鬼は喉が極端に細いため喰いたくても食えないので、常に空腹状態にいる。その餓鬼が断食しているのだとやせ我慢を言うとすれば失笑されます。例えばアルコール中毒の人が医者から飲酒厳禁を言われて飲めないのに、自ら断酒していると言いふらすものですね。NO154 

 

21/10/13 

大海は芥を択ばず たいかいはあくたをえらばず 

度量の広い人は、人を分け隔てなく受け入れるというたとえ。「芥」はごみ、くずという意味。海は、流れ込む川が運んできたごみなども含めてすべてを受け入れます。その海を度量の広さにたとえています。歴史上の人物で言うと勝海舟のような人でしょうか。名前に海という字もはいっており、まさにこの人って感じですね。NO341 

 

21/10/14 

先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし せんせいとよばれるほどのばかでなし 

先生とおだてられて得意になっている者を嘲笑して言う言葉。「先生」と呼びかけながらも、敬意が感じられずかえって小馬鹿にするニュアンスが含まれています。「先生」の原義は、先に生まれた方、年長者をさす言葉でしたが、現在では必ずしも尊称として使われているわけでもないようですね。NO334 

 

21/10/15 

大木に蝉 おおきにせみ 

大小の差が極端なことのたとえ。「大木に蟻」という同意のことわざもあります。どちらも読んで字のごとしのことわざですね。相撲などで大型力士と小兵力士が取り組むときのたとえとして用いられることも多いようです。NO115 

 

21/10/16 

一挙両得 いっきょりょうどく 

一つのことや行為で二つの利益を得ること。平易、単純な4文字熟語ですがこれもりっぱなことわざです。何事もこうありたいですが、なかなかこのように都合よくはなりませんね。NO61 

 

21/10/17 

旨いものを食わす人に油断するな うまいものをくわすひとにゆだんするな 

まさに高齢者向けの教訓的なことわざの一つではないでしょうか。やたらに好条件を持ち込む人には警戒する必要があるということ。「旨いもの」といっても、いわゆるご馳走ばかりではなく、「よい話」と読み替えてもいいと思います。高齢者は詐欺などには十分注意しましょう。まさに「うまい話には裏」があるです。NO94 

 

21/10/18 

捨てる子も軒の下 すてるこものきのした 

衝撃的な出だしのことわざですが、深読みすると親の子に対する深い愛情が染み出ています。せっかく生んだ子を手放なせざるを得ない状況下で代わりに育ててくれるそうなところに送る。そんな意味でしょうか。赤ちゃんポストを思い出しました。NO325 

 

21/10/19 

大器晩成 たいきばんせい 

大人物ができるには長い年月を要するということ。大きな器を作るには小さな器に比べると時間がかかると、大人物を器にたとえたことわざです。しかし、大リーグのエンゼルス 

の大谷のように小学校のときから大器だった例もありますね。NO343 

 

21/10/20 

火事後の火の用心 かじごのひのようじん 

時期を逸して役に立たないことのたとえ。火事の後に火の用心をしても意味がないですが再発防止にはなります。役所の不祥事後の幹部の謝罪と再発防止についてよく言いますが、再発することも多いです。まず起こさないことの心構えと具体的な対策、予防保全が必要と思います。NO158 

 

21/10/21 

賢い人には友がない かしこいひとにはともがない 

利口すぎる人には仲間や友人ができないこと。ここの「賢い」は、賢こげにみえる者や賢さを鼻にかける者の意味のようです。こうゆう人は計算高かったり、狡猾だったりして、人が寄り付かないようになります。私たち高齢者にとって半面教師のことわざですね。NO159 

 

21/10/22 

三寸の見直し さんずんのみなおし 

よく見れば、どんなことにもいくらかの誤差や欠陥・欠点があること。そして、多少の欠陥や欠点は慣れてしまえば気にならないこと。もっと言えば気にしないことは実は大変大事だと思います。夫婦でも友人関係でも職場の人間関係でもうまくいくコツではないでしょうか。NO275 

 

21/10/23 

三人旅の一人乞食 さんにんたびのひとりこじき 

三人で共同の事をすると一人が仲間外れになるということ。確かに三人で行動を共にすると、物事を決める際に二対一になる場合が多く、一人の側が不本意なことになることが多いです。「三人連れは県下の元」という同意のことわざもありますが、普段の人間関係でもよくあることですね。NO276 

 

21/10/24 

嘘から出た誠 うそからでたまこと 

何の根拠もなくでまかせに言ったことが、結果として本当のことになってしまったこと。使われている言葉が抽象的なわりには、印象に残ることわざです。「嘘」と「誠」がまったくの反意語のためですね。実際に根拠のないマスコミの報道がきっかけとなり、結婚した芸能人はたくさんいますね。まさに嘘から出た誠ですね。NO88 

 

21/9/25 

帯に短し襷に長し おびにみじかしたすきにながし 

物事がどっちつかずで何の役にも立たないこと。ちょうどいいものはなかなかないということのたとえでもあります。着物の帯は約3メートルもあります。一方襷はその半分ほど。例えば2メートルのものはどっちにも使えないことになります。このようなことは日常生活でもよくありますね。NO131 

 

21/10/26 

蟹は甲に似せて穴を掘る かにはこうににせてあなをほる 

人は自分の能力や身分に相応のことをするというたとえ。「甲」は甲羅のこと。河口付近の水辺にすむ蟹は、甲羅の大きさに合わせて出入する穴が掘られています。ここから出たことわざのことで、これは生物学的にも理にかなっているとか。能力相応、身分相応がよいということです。NO171 

 

21/10/27 

頭剃るより心剃れ あたまそるよりこころそれ 

外見上、頭を丸めて僧になるより、まず心を清らかにすべきということ。「心を剃る」という言い方は通常はあまりしませんが、心の中の乱れを正すということで、外見より心の在り方が大切という仏教の教えでもあります。現代の若者には「まず恰好から入る」という考えもありますが、このことわざでは、これを否定しているわけですね。NO23 

 

21/10/28 

人事を尽くして天命を待つ じんじをつくしててんめいをまつ 

有名な誰でもしっている教訓的なことわざです。結果は天に任せて、悔いが残らないよう最善を尽くす。「天命」は天によって決められた、人にはどうしようもできない運命。力の限りを尽くしてこれ以上やることがないレベルまで到達したときに感じる境地です。NO316 

 

21/10/29 

借りる時の恵比須顔、済す時の閻魔顔 じかりるときのえびすがお、なすときのえんまがお 

借りるときは喜びを満面に浮かべていたのに、返すときは不愛想なふくれっつらをすること。特にお金の貸し借りはこのことわざが当てはまるかもしれませんね。困って助けてもらうときは本当にありがたいものですが、返す段になると不機嫌な顔になる。人間の本性がよく出ていることわざと思います。NO182 

 

21/10/30 

昨日の淵は今日の瀬 きのうのふちはきょうのせ 

世の中の変遷が激しいことのたとえ。淵はゆっくり流れ、瀬は激しく流れます。いつの時代もこれは同じです。同じような意味で栄枯盛衰という言葉もありますね。人生も同じです。美空ひばりの川の流れのようにという歌を思い浮かびました。NO196 

 

21/10/31 

朝日が西から出る あさひがにしからでる 

絶対ありえないことのたとえ。非常に単純な誰にでもわかることわざ。コメントのしようがないですね。「夕日が東に沈む」でもよさそうですね。(笑)NO196  

 

(11月)

21/11/1 

子孫に美田残さず しそんにびでんのこさず 

子孫に財産を残すと子供の気持ちが安逸に流れ、独立心を失わせてしまうから財産は残すべきではないということ。一理ありますね。確かに莫大な財産を働かずして、相続したら働く気がなくなりそうです。私としても子供への安易な多額の贈与は控えたいと思いますが(そもそも多額の財産はありませんが)、子供の出産など節目節目には、お祝い金を贈るなど支援したいという親心を持っています。NO289 

 

21/11/2 

声なくして人を呼ぶ こえなくしてひとをよぶ 

徳のある人のところには自然と人が集まってくるものだということ。言わんとするところは、直接、声を出す出さないということではありません。自分のほうから求めないのに相手に慕われて自然と寄ってくる状態になるということです。エンゼルスの大谷選手には有名な一流選手からよく声を掛けられていますね。このことわざがまさにピッタリのひとですね。NO242 

 

21/11/3 

経も読まずに布施をとる きょうもよまずにふせをとる 

義務を果たさずどん欲に報酬だけを受け取ること。欲深い僧侶に例えています。さしずめ現代では、仕事をいい加減にしさぼっているにもかかわらず給料だけはしっかりとむらう人のことでしょうか。公務員の世界でも一般の会社でもそういう人って確かにいます。給料だけではなくしっかり出世もしていたりして。NO205 

 

21/11/4 

魚心あれば水心 うおごころあればみずごころ 

相手が自分に好意をもてば、こちらも相手に好意をもつものだというたとえです。魚と水は親密で、切っても切れない関係であることから、このことわざができたようです。夫婦もこうありたいものですね。NO81 

 

21/11/5 

飢えた犬は棒を恐れず うえたいぬはぼうをおそれず 

生活に困っている者は、危ないことも悪いこともするものだということ。腹をすかせた野犬は、追い払う棒をいちいち恐れていては食べ物にありつけませんね。本来、人間を恐れる熊も里におりてきて、畑を荒らしたり、家畜を襲うこともこのことわざのとおりです。実は人がこのような状態になったとき一番恐ろしいかもしれません。最近起こった電車での殺傷事件がこれを物語っています。NO80 

 

21/11/6 

鷺と烏 さぎとからす 

物事が正反対のたとえです。鷺は白く、烏は黒いことから出たことわざです。白い鳥は白鳥とか鶴なども知名度がありますが、なぜ鷺としたのか。語路がよかったからでしょうか。こう考えるとことわざって面白いです。NO265 

 

21/11/7 

地獄の沙汰も金次第 じごくのさたもかねしだい 

非常に有名な誰でも知っていることわざです。金はどんなことでも可能にするという意味です。地獄に落ちたものでも閻魔様の沙汰を金で覆すことができるというのが原意。「阿弥陀の光も銭次第」ということわざもあるそうです。金の力恐るべしです。NO278 

 

21/11/8 

鐘も撞木の当たりがら かねもしゅもくのあたりがら 

鐘の音は、鐘を撞く木がどう当たるかで大きくも小さくもなるということから、自分の態度次第で相手の態度や出方も変わってくるということです。人生を共にする人の付き合い方で家庭生活やお互いの人生が良くも悪くもなることを示唆しているかもしれません。例えが味のあることわざです。NO175 

 

21/11/9 

座禅組むより肥やし汲め ざぜんくむよりこやしくめ 

自分の身にそぐわないことをやるより、本業をおろそかにせずに励めということ。農民が座禅を組んで精神修養するより、仕事である畑や田んぼを耕しなさいと言っているようです。「くむ」を取り合わせてリズムある語調となっています。言っていることはもっともなことですね。NO269 

 

21/11/10 

棚から牡丹餅 たなからぼたもち 

おなじみのことわざです。思いがけない幸運のたとえで、また、その幸運に出会うことですね。略して「たなぼた」ともいいます。幸福のたとえである牡丹餅とはお萩のことで、餡子が入った甘いお菓子です。甘いものが貴重な時代にできたことわざと思います。私にはめったに起きませんが起きてほしい出来事です。NO361 

 

21/11/11 

好事魔多し こうじまおおし 

よいことには何かと邪魔が入ったり妨げる者があらわれたりするものだという意味。「好事」はよいことで「魔」は邪悪のことです。医師の中村哲さんはアフガニスタンで水路造成など現地の方に指導した方ですが、何者かに殺されました。ほんとに残念な事件でした。このことわざがあてはまるかもしれませんね。NO361 

 

21/11/12 

詩を作るより田を作れ しをつくるよりたをつくれ 

風流なことに時間を費やすより実生活に役に立つことを行いなさいというたとえです。日本の大多数が農業にかかわっていた時代、農作業は生存の根幹を担っていました。この時代背景では民衆が行う文学や芸術は無用と考えられてもしかたがなかったかもしれません。時代が生んだことわざです。NO314 

 

21/11/13 

陸に上がった河童 おかにあがったかっぱ 

自分の力や能力を発揮できない環境にあるということ。また、事態に窮して意気地がなくなっていることの例えでもあります。仕事で言えば、長年技術職の仕事をしていた方が、突然、事務畑に異動になったときなどに「俺は陸に上がった河童のようだ」などと言いまわしますね。NO117 

 

21/11/14 

十人十色 じゅうにんといろ 

人の好みや考えはみな違うというたとえ。人は何人集まっても、似た顔立ちの人はいても、まったく同じ顔の人はいないものです。一卵性双生児でもよくみるとどこか違うものです。現代は多様性を尊重する時代、まさに十人十色の時代です。NO301 

 

21/11/15 

女と俎板はなければ叶わぬ おんなとまないたはなければかなわぬ 

炊事にはまな板が必要なように、一家には主婦がいないと成り立たないということ。女性が結婚後も家の外で働くことが多くなった現代では、夫である男性も台所に立つことが多くなっています。必ずしもこのことわざどうりではないと思いますが、昭和以前の時代はまさにこのことわざのとおりですね。NO144 

 

21/11/16 

子供は大人の鏡 こどもはおとなのかがみ 

子供は大人の姿や生き方を反映するから、子供を鏡として生きてゆかなければいけないという教訓。子供は日々の生活の中で親や大人のまねをし、大人に影響されながら成長していきます。子供は姿顔かたちばかりでなく、性格・気質も親に似ることがあります。そういえば、「子供は親の背中を見て育つ」ということわざもありますね。NO252 

 

21/11/17 

犬が西向きゃ尾は東 いぬがにしむきゃおはひがし 

きわめて当たり前のことを、わざわざ事新しく言うこと。軽快な七五調でテンポがいいことわざで言葉遊びの要素もあるようです。「雨が降る日は天気が悪い」ということわざも同意です。要は誰でも知っている当たり前のことをさも、もっともらしく言うことですね。NO67 

 

21/11/18 

蜆貝で海を換え干す しじみがいでうみをかえほす 

到底不可能なことや、できるはずのないことのたとえ。「換え干す」は海水を吸出して枯らすことです。それを小さな蜆貝でやるというのですから、それは無理というものです。たとえとしてもてかなり大げさなことわざです。NO285 

 

21/11/19 

愚公山を移す ぐこうやまをうつす 

かなりの難事でも、志をもってそれに専念してひたすら努力すれば、どんなことでも可能となるたとえです。中国の古事から出てきたことわざです。愚公という人が通行の妨げとなっていた山を平らにしたという壮大な出来事が出所とか。すごいの一言です。NO211 

 

21/11/20 

事実は小説より奇なり じじつはしょうせつよりきなり 

この世で実際起きる出来事は、創作ものの小説より複雑で不思議なことがあるという意味。世の中いろいろなことが起きますが、その中でも時々信じられない事件が起きます。日産の元最高経営責任者であったゴーン氏の海外逃亡劇は、まさにこのことわざどおりでした。NO283 

 

21/11/21 

宝の持ち腐れ たからのもちぐされ 

すばらしい価値があるものを持っていながら、それを使わず、また、優れた能力や手腕がありながら有効に活用しないことのたとえです。ある意味歴史的価値あるコレクションを金持ちが持ち合わせながら、世間の人に見せずにお蔵入りしていることも、このことわざにあてはまるかもしれません。NO353 

 

21/11/22 

奇貨居くべし きかおくべし 

後日役立ちそうなものには、今から費用を惜しまず投入すべきであるという意味。また、めったにない好機は逃がさず利用せよという意味もあります。「奇貨」は珍しい財貨や財物のことを言い、利用すれば思いがけない利益や機会を生むもの。例えば、後に大化けするベンチャー企業に先行投資するようなことでしょうか。NO191 

 

21/11/23 

死馬の骨を買う しばのほねをかう 

おどろおどろしたことわざです。すぐれたものを手に入れるために、価値のないものを厚遇することのたとえ。また、しきりに有能な人材を求めることのたとえでもあります。中国の故事から出たことわざのようですが、独特の表現ですね。NO295 

 

21/11/24 

乾坤一擲 けんこんいってき 

よほどの漢字通でなければ読めないですね。天下を取るか失うかの勝負をかけることです。「乾坤」は易の言葉で天地の意味だそうです。「擲」は投げること。すなわち一振りサイコロを投げて、天がでるか地がでるか運命をかけることです。緊張感があることわざです。まさに天下分け目の関ケ原ですね。NO234 

 

  

21/11/25 

犬も朋輩、鷹も朋輩 いぬもほうぱい、たかもほうぱい 

役割が異なり、立場に上下の違いがあっても、同じ主人に仕える者は同僚だということです。鷹狩の場面から出たことわざではないかと思います。犬が鷹と上手に呼吸を合わせて獲物を追い出さないと、狩りはうまくいきませんね。夫婦も呼吸を併せて、お互い思いやりを持って、お互いを主人だと思いと尊び、子育てや教育、家事など助け合っていきたいものです。NO70 

 

21/11/26 

歳月人を待たず さいげつひとをまたず 

時は人の都合にかまうことなくどんどん過ぎてゆくものだから、時間を大切にしなければならないという意味です。身に染みることわざです。60代になると自分の寿命を気にするようになります。また、死というものを現実的に考える様になります。実際何人か親しい友人が亡くなっています。時間の大切さをつくづく感じるこの頃です。NO263 

 

21/11/27 

親の心子知らず おやのこころこしらず 

子を思う親の深い気持ちを知らずに、子供が勝手きままにふるまうという意味。また、親にならなければ、親たる者の気持ちを計り知ることはできないという意味もあります。実際、親と子の間柄でもお互いその気持ちはなかなか理解できないですね。NO137 

 

21/11/28 

三歳の翁、百歳の童子 さんさいのおきな、ひゃくさいのどうじ 

十分に歳を重ねても愚かなものもいれば、若年でも賢い者もいるということ。自分に当てはめて、「どきっ」とすることわざです。世の中をみると、30代の若い人でも大学の教授になっている賢い方もいます。一方で経験豊かな高齢者がわがままに老害をまき散らしている人もいますね。こうはなりたくないものですね。NO273 

 

21/11/29 

乞食も場所 こじきもばしょ 

何をするにも場所を選ぶことが大切であるということ。乞食という言葉は死語になりつつあります。現代では直接物乞いをする人はあまり見かけなくなりましたが、かつては乞食は文字通りものを乞うて生きていました。人通りの多い場所が彼らにとっては効率がよかったようです。何の商売でも場所の選定は一番に大切ですね。NO245 

 

21/11/30 

艱難汝を玉にす かんなんなんじをたまにす 

ふりがなをふさないと読めないことわざ。意味は人間は苦労することによって、立派に成長するということです。「艱難」は大変な苦しみや苦労のこと。「玉」はりっぱなものや美しいものをほめる言葉です。漢語調ですが英語からの翻訳だそうです。NO187

 

 

(12月)新着

21/12/1 

吹いて疵を求める ふいてきずをもとめる 

わざわざあえて人の欠点をあげヘつらうこと。また、人の過ちをあばこうとして、かえって自分の弱点を露呈すること。動物の毛や人の髪の毛の下に隠れてる小さな疵を息で吹き分けて探し出す様から生まれたことわざです。性格が悪い人の典型を表したことわざですね。こうは絶対なりたくないものです。NO366 

 

21/12/2 

一升の餅に五升の取粉 いっしょうのもちにごしょうのとりこ 

小さなことを成し遂げるのに、付随的なことが多く必要なことのたとえ。「取粉」はつきあがった餅があちこちにねばりつかないように扱いやすくする米の粉のことです。さすがに一升の餅に五升の米粉は多すぎで、かなり誇張しています。しかし、実際何かの目標を達成するためにはかなりの準備や段取りが必要になることは事実です。NO63 

 

21/12/3 

ただより安いものはない ただよりやすいものはない 

金がいっさいかからないことが、文字通り一番安いということ。当たり前の意味ですね。ところが、「ただより高いものはない」という真逆のことわざもあります。これは、ただで物を手に入れるのはいいが、返礼のために結果として高くついてしまうことです。後者のほうが教訓になりますね。NO357 

 

21/12/4 

噂をすれば影 うわさをすればかげ 

陰で人のことをあれこれ話題にすると、その話の主が偶然のように現れることのたとえ。これは結構よくあることで、ほめたり讃えたりしている話だといいのですが、悪口を言っているときになぜか話の当人が現れるものです。気を付けたいものです。NO103 

 

21/12/5 

寸鉄人を殺す すんてつひとをころす 

短い警句や風刺の言葉が人の急所を突くものだということのたとえ。「寸鉄」はきわめて小さい刃物のこと。転じて人の胸を突く語句。つまりちっぽけな刃物でも急所を突けば人を殺せることを比喩したものですね。恐ろしいことわざです。NO329 

 

21/12/6 

瓦も磨けば玉となる かわらもみがけばたまとなる 

愚鈍な者でも切磋琢磨すれば立派な人物になれるという意味。「玉」は宝石の類。土を焼いてつくる瓦が玉になることはあり得ないです。もちろん誇張した比喩として使われています。NO185 

 

21/12/7 

負わず借らずに子は三人 おわずからずにこはさんにん 

人の世話にもならず、借金もなく、こどもの数も文句なしの三人という幸せな家族のたとえです。少子化傾向への対策が国家的な規模で問題になっていますが、子供の人数が三人と言われて久しいですね。ちなみに我が家は4人ですが、最近まで全員家を出ており、幸せなのか微妙ですが、節目節目で帰郷しますので、その時は幸せを感じます。NO140 

 

21/12/8 

じたばたしても鶏の裸足 じたばたしてもとりのはだし 

だれが何と言おうと、どう悪あがきしようと、事実は事実だということ。靴などを履いてなく裸足なのは当たり前です。当たり前ではないか、ということを改めて強調する言い回しに使われることわざです。ユーモアも感じることわざですね。NO290 

 

21/12/9 

弘法も筆の誤り こうぼうもふでのあやまり 

愚いかなる名人も誤りはあるものだというたとえ。書の名人の弘法大使といえども時に書き損まうことがあるということです。同義のことわざは多いですが、その中でも大変よく知られています。江戸時代から使われていることわざです。NO241 

21/12/10 

風吹けど山は動ぜず かぜふけどやまはどうぜず 

まわりが騒ぎたてても少しも動じることがなく、自己の信念を貫くことのたとえ。大風が吹けば、山の草木や小石は吹き飛んだりしますが、山自体は微動ににせず堂々と居座っています。このことから、正真正銘の大人物にたとえられます。私は西郷隆盛を思い浮かびました。威風堂々ということですね。NO162 

 

21/12/11 

小坊主一人に天狗八人 こぼうずひとりにてんぐがはちにん 

弱いもの一人に強いものが大勢で立ち向かうことで力のバランスがとれてないことのたとえです。天狗は翼をもち、自在に空をとび、陣痛力ももつ想像上のいわば怪物。一方、小坊主は修行中の弱い人。対決するには、あまりにもバランスがとれていませんね。NO254 

 

21/12/12 

麒麟も老いては駑馬に劣る きりんもおいてはどばにおとる 

どんな立派な人物でも年をとると凡人にも劣るようになるというたとえです。「麒麟」は一日に千里を走る駿馬のことで、「駑馬」は足の遅い馬のこと。確かに元オリンピック選手であったアスリートでも、高齢になると小学生にもかなうまいという状態になります。年は取りたくないものです。NO208 

 

21/12/13 

蝙蝠も鳥のうち こうもりもとりのうち 

身分が低くても同じ仲間であるということ。また、値打ちの無い者が、優れた者の中で仲間ぶるという意味もあります。蝙蝠は哺乳類で鳥ではありませんが、鳥のように飛べますので、その意味では鳥と同類とみなせます。鳥より劣っているという前提ですが、夜でも飛べる蝙蝠のほうが能力が高いと考えることもできますね。NO241 

 

21/12/14 

頭でっかち尻すぼみ あたまでっかちしりすぼみ 

始めが大きく、終わりが小さいこと。また、始めが勢いがよかった物事が、終わりが振るわないという意味でもあります。商売でいうなら、最初に大きく投資をし、立派なお店を建て、人も大勢雇い商売を開始したのに客が入らず、最後は店をたたむようなものです。特に退職者が商売をやる場合絶対やってはいけないパターンです。NO23 

 

21/12/15 

味ない物の煮え太り あじないもののにえぶとり 

始味のないまずいものに限って煮ると予想外に量が増えること。反対に、よいものは量が少ないということになるのでしょうか。食べる側からすれば、いくら旨いものでも大量だと飽きるし美味しく感じなくなります。何事もほどほどがベストですね。NO19 

 

21/12/15 

狼に衣 おおかみにころも 

狂暴で悪い人が情けがある善い人のように振る舞うこと。この狼が身に着ける衣は単なる着物ではなく、外見は僧侶のように信頼できる法衣だったかもしれません。狼はことわざにも比較的よく登場しますが、それらは最悪のものとして扱われているようです。NO114 

 

21/12/16 

水魚の交わり すいぎょのまじわり 

はなればなれになることのないほど親しい間柄のたとえです。魚にとって水はなくてならないものです。親友同士や夫婦間の親密さにたとえている場合が多いようです。私と妻もお互いこうありたいものです。NO318 

 

21/12/17 

看板に偽りなし かんばんにいつわりなし 

外見と中身に食い違いがなく一致していること。また、言葉と行動が一致しているという意味もあります。江戸時代に急速に商売人の店先に下げられるようになりました。看板はキセルや下駄など実物をかたどったものや、酒や薬などの容器をかたどったものが多かったようです。昭和の商店街の各店の看板もこの流れを引き継いでいるようです。当店も看板に偽りがないよう商売を続けたいと思います。NO189 

 

21/12/18 

大事は小事より起こる だいじはしょうじよりおこる 

どのようなことでも、はじめはごく小さなことが原因で生じるということです。抽象的な表現ですが、誰にでも具体的な事例を挙げようと思えば、一つや二つはあるものです。「マッチ一本火事のもと」という標語は、このことわざの応用でしょうか。NO347 

 

21/12/19 

七年の病に三年の艾をもとむ しちねんのやまいにさんねんのもぐさをもとむ 

外事が起こってしまってからでは、よい対策も意味をなさないというたとえ。たとえ重い病に効くもぐさでも、病に倒れて七年も経ってから、さらに三年もかけて艾を作ってもまったく役にたたないが原意です。ことわざは大げさな表現が多いですね。NO291 

 

21/12/20 

光陰矢の如し こういんやのごとし 

月日の過ぎるのは早く、しかも二度と戻らぬこと。「光陰」の「光」は日、「陰」は月で、月日、歳月の意味。矢は速さが実感できる具体的なもので、放たれた矢は決して射手のもとには戻らない。年をとると、このことわざが身に沁みます。だからこそ一日一日を大切にして生きたいものです。NO236 

 

21/12/21 

入るを量りて出ずるを為す いるをはかりていずるをなす 

収入額を正確に計算した後で、それに釣り合った支出をして経済の安定を図るという意味です。国の財政政策の基本ですが、現在はこのバランスが完全に崩れて、一千万台兆円の大赤字になっているのが実態で、この先どうなるか国民として大変心配です。これは家計でも大切な考えですので、特に年金生活の方は肝に銘じておきましょう。NO75 

 

21/12/22 

鶯の卵の中のほととぎす うぐいすのかいごのなかのほととぎす 

実際は自分の子であっても、わが子ではないと認めないことのたとえです。ほととぎすは自分では巣をつくらず、鶯の巣の中に卵を生んで、鶯に育ててもらうことは有名ですが、そのことからのたとえです。どちらの鳥にしてもふしぎな習性ですが、人間社会でも血がつながっていない養子をわが子のように育てることはありますね。NO83 

 

21/12/23 

火中の栗を拾う かちゅうのくりをひろう 

おなじみのことわざです。他人の利益にしかならない危険なことに手を出すことです。また、難しい問題や困難なことにあえて身を投じることのたとえでもあります。自分は安全地帯にいて人を利用する意味のことわざで「猫の足をもって火中の栗を拾う」ということわざもフランスですがあるそうです。おもしろいですね。NO165 

 

21/12/24 

酒は憂いを払う玉箒 さけはうれいをはらうたまははき 

お酒は心の憂いを取り除いてくれるありがたいものだというたとえです。「玉箒」は上等のほうきの意味です。お酒の精神的効能を言い表しています。「酒は百薬の長」とともにお酒を肯定的にとらえていることわざの一つですね。私は一日も欠かさずお酒をたしなみますが、量は抑えることが必要ですね。NO267 

 

 

21/12/25 

女は相見互い おんなはあいみたがい 

女性同士には共通の利害があるから、お互い思いやりを抱き、かばい合うものだということ。「武士は相見互い」「商人は相見互い」ということわざもあるとおり、同じ利害を持つものはお互い協力して助け合うものだということです。「相見互い」何かほっとするいい言葉ですね。NO145 

 

21/12/26 

阿吽の呼吸 あうんのこきゅう 

共に一つの事をする際に、お互いの呼吸がぴったり合い、気持ちが一つになること。また、その微妙な気持ちや調子をいいます。よく使うことわざの一つですね。例えば、結婚式での新郎新婦のケーキ入刀のとき阿吽の呼吸できれいに切れたなど。NO5 

 

21/12/27 

立て板に水 たていたにみず 

物事がとどこおらずになめらかにいく形容としてよく使われることわざです。ここから切れ目なくとうとうと話すことの意味もあります。流ちょうに話すことですね。NO395 

 

21/12/28 

群羊を駆って猛虎を攻める ぐんようをかってもうこをせめる 

多数の弱国を結束させて強国に対抗させること。このことわざから、文永の役と弘安の役いわゆる蒙古襲来を思い浮かべました。モンゴル帝国が鎌倉時代に日本を攻めた戦いですが、諸国の鎌倉武士が結束し、強風という自然現象の助けもありありみごと退散させた有名な戦いですね。まさに猛虎の来襲でした。NO224 

 

21/12/29 

鬼に瘤を取られる おににこぶをとられる 

損害を受けたように見えながら、逆に利益を受けること。昔話、こぶとり爺さんから発したことわざと聞くと納得しますね。瘤とはいえ、恐ろしい鬼からからだの一部をはぎとられるのですから、普通は不利益の何ものでもないのですが、実際は邪魔なものがなくなるわけですから、まさにこれ幸いですね。NO127 

 

21/12/30 

石の上にも三年 いしのうえにもさんねん 

よく知られるおなじみのことわざです。つらく困難なことも、辛抱していればいつか必ず成し遂げられることのたとえです。それでは辛抱する場所がなぜ石なのか。それは石は不安定という前提で、そこに長く座り続けることが、忍耐につながり、石が体温ですっかり温まるまでしっかり座りなさいということです。NO47 

 

21/12/31 

骨肉の争い こつにくのあらそい 

親子、兄弟などの肉親どおしが争うこと。また、親密な関係にあるものによる陰惨なもめごとのこと。このことわざをみて、まっさきに思い浮かべたのが遺産相続です。遺産相続がが遺産争族にならぬよう遺言書は大切です。財産がある高齢者は、もしものために書き残すべきですね。NO248 

 

 

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電話 080-3144-0948

住所 岩手県盛岡市永井18-144-11

自転車整備専門店 バイシクルメンテナンス

代表 川村和則

http:   //www.mamatyarimente.com

mail: mamatyarimente@gmail.com 

 

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